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12月19日に「鶴の湯」さんに宿泊したときの続編です。
さて、僕の得意技のひとつとして、良い温泉宿に宿泊した際食休みをまったく取らない、というテクニックがあります。いささかコレ荒業でして、身体的にもどうかなあとは思うのですが、この裏技を使うと、大抵の場合、お風呂が独占できちゃったりするんだなあ。「鶴の湯」さんほどの名湯になりますと、やっぱり、いちどはひとりで独占してみたいじゃないですか。というわけで、この裏テク、今回も使わせて頂きました。
すると、読み通り・・・だあれもいない、雪のしんしん降るばかりの、夜の鶴の湯がそこにあるではないですか。
「わあ」
なんか、綺麗すぎて、つい息、とまっちゃいました。
大粒の雪が、次から次へと降ってくる。
膝からゆっくり入り湯して、夕方定めた自分の陣地(?)の、黒湯の小屋寄りのふたつ岩のところまで行きました。ふたつ岩の片方を枕に、もう片方を臨時の足台にして、白い濁り湯に腹ばいになって横たわります。雪と湯けむりのおかげで星は見えません。
でも、その代わりに雪が見える。湯けむり越しの夜空からはるばるこの下界まで舞いおりてくる、雪つぶてがよ~く見える。
ふたつ岩を枕に、極上の生まれたての湯につかりながら、自分に降りおちてくる無数の雪つぶてをじーっと見てました。ときどき雪つぶての何粒かが、半開きの口になかに舞いこんだりして、夜のなか、自分がどんどん空になっていく感じがとてもよかった・・・。
ああ、あんな気分はもうそうそう味わえないだろうなあ。
窓々から漏れた明かりが雪道をちらちらと照らしている鶴の湯2号館への帰り道も、忘れられない美しさでありました。(-。-)1人が参考にしています