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- 鶴の湯温泉の口コミ 「鶴の湯」宿泊物語☆
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12月19日の火曜、念願だった憧れの「鶴の湯」さんに宿泊してまいりました。
予約が取れたのは、でも、凄くギリギリだったんです。12月のたしか12日あたりだったと思います。よもや予約できるとは思わず、師走の締めに行けたらいいな、と軽い気持ちで電話したら予約できちゃったんで返ってビックリ。なんか実感が湧かず、喜びがにか~っと頬にこみあげてきたのは、ようやく行きの新幹線のなかあたりからでしたねえ。
秋田・乳頭温泉境は、深い山のなかにありました。
田沢湖駅から羽後交通バスでアルパこまくさ駅まで行き、そこから鶴の湯の送迎バスに乗り換えます。いや~ 雪がもの凄く深かったあ(x。x)一面の雪景色! 去年訪れた青森の八甲田山みたい。関東モンの僕には、相変わらず想像を絶したコワイ光景であります。降りしきる無数の雪つぶて。ブナの木の枝々に降りつもった雪が、ときどきばさあっと地上の雪層に落下する音がかすかに背後から聴こえます。
到着。鶴の湯さんは雪に埋もれてました。噂通りの門構えにバスのお客みんなで「わあ」
「やっとこれたねえ」
「そうですねえ」なんて感無量で門をくぐって、雪の本陣前の道を歩きだして。
到着後、3号館の部屋に荷物を置くと、すぐさま露天を目指しました。内湯「中の湯」の籠に浴衣をまるめて、くぐり戸を抜け、露天「鶴の湯」へ---
時刻は15:20。立ち寄り時間のすぎた鶴の湯には、人影がありません。無人の濁り湯に雪が舞い落ちるばかりなり。ぽちゃり。足先から入り湯して、露天の湯けむりのなかをしずしず歩きます。露天周りの湯小屋の屋根には既に雪がいっぱい積もっていて、その向こうの山肌も完全な雪景色です。「黒湯」の湯小屋寄りの岩の底の玉砂利から、新鮮な暖かいお湯があぶくになって湧出してくるのを見つけて、そこを自分の陣地に定めることにしました。
岩を枕にして上空を視察---おお、湯けむりのむこうの曇天から雪つぶては落ちてくるようでありますな。なんという柔らかいお湯でせう。両手で顔にぽしゃりとやると、なんともいえない硫黄のいいかほりがぽわあっと散り広がります。露天周りのすすきも見事な雪化粧。夕方の気配がゆっくり募っていき、
・・・ぽこ、ぽこ、ぽこ・・・
肩口からは、あぶくのかすかにはぜる音。
うん、いい音だ、「鶴の湯」の音だな、なんてひとり納得していると、ほかの湯浴みびとたちもだんだんとお風呂にやってきました。
「こんにちわ」
「こんにちわ」
・・・雪はごんごん降ってます・・・。
胸がいっぱいになった1時間半の湯浴みでありました。見事です。鶴の湯さんってもしかして、日本でいちばん美しい露天かもわかりませんね。
あ。夕食がこれまた絶品だったのにはビックリ。本陣7号室の食堂で頂いた夕食の、特に「山の芋鍋」の味は感動モンでした。(おかわりしちゃったよ)たまたま隣りあった、埼玉狭山のおバちゃんと感嘆しあうことしきりでありました。おバちゃんの娘さんへもひとこと。傘、ひろってくれてありがとう。0人が参考にしています