甲府市街にある温泉郷!開湯1200年のトロトロ湯
[山梨県] 自家源泉かけ流しの天然温泉 湯村ホテル(旧 湯村ホテルB&B)
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
街中の銭湯やビジネスホテルまで、良質な温泉の湧いている山梨県甲府市。街の北側には立派な「温泉郷」も存在しています。それが「甲府湯村温泉郷」。
甲府駅から車でわずか10分の距離に、10数軒の旅館・ホテルと、共同浴場の立ち並ぶ「街中温泉郷」です。
お湯自慢の「湯村ホテル」へ
今回ご紹介するのは、温泉街の入口に位置する「湯村ホテル」。温泉街の中でも一際目立つ、高層ビルのシティホテル風の温泉です。
一見、温泉街には似つかわしくない外観ですが、欧米のB&Bスタイルのホテルで、一人旅から団体まで低料金で宿泊できるそうです(今回は立ち寄り入浴なので宿泊はせず…)。
新鮮さの証「飲泉場」
受付にて入浴料を支払い、大浴場へ。入口の手前には、「飲泉場」が完備されています。「飲泉」は、お湯が新鮮な証。入浴前の水分補給も兼ねて、コップ3杯いただきました。
味は温泉らしい薄塩甘ダシ味。ほのかに硫黄の風味もあり、薄塩玉子のようでもあります。そんな飲みやすい源泉ですが、析出物も秀逸。蛇口の先端にこびりついた純白の温泉成分は、歴史を感じさせる「温泉の芸術」です。
完全かけ流しの大浴場
「飲泉」でがっつり水分補給した後は、大浴場へ。
男女別の内湯、露天風呂の大浴場。シンプルですが、純和風で、落ち着きのある上品なつくりです。
内湯は、10人以上は入れそうな大きな浴槽がひとつ。そこに湯温45.8度、熱々の源泉が、加水も加温もされることなく、完全かけ流しの状態で、なみなみと注がれています。お湯はもちろん新鮮そのもの。湯口付近では、体中真っ白になるほどの細かい泡つきを体感できます。
泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。甲府市内で主流の琥珀色「モール系」温泉ではなく、無色透明の「塩化物系」温泉です。
野趣溢れる石の露天風呂
露天風呂は総石造りの野趣溢れる雰囲気。内湯同様、こちらも完全かけ流しです。無色透明のお湯は、一見個性の薄いように感じますが、湯口からはほのかに硫黄とモールの香りを感知でき、ツルツルキシキシの肌触りは温泉らしい個性を持っています。しばらく入ると、肌にまとわりつく浴感で夢心地。トロトロの化粧水のようなお湯を堪能できます。
少しのぼせたら、石に座って足湯気分。ほてった体に当たる甲府のやさしい風がとても気持ち良い、癒しの空間です。
入浴料は、一般で1296円(会員は割安)。決して安くはないですが、それ以上の価値は充分に感じる、新鮮なかけ流しの極上湯でした。