濃厚みそ汁!(鉄炭酸風味)
[山形県] 泡の湯温泉 三好荘(閉館しました)
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
山形県小国町。新潟県、県の最も西南に位置し、福島県に隣接するのどかな町です。山あいの豪雪地帯ですが、夏は緑の濃い、清々しい環境。「泡の湯温泉 三好荘」は、そんなのんびりしたところにあります。高速を降りてから遠く、アクセスは良くないためか、お盆の時期にお伺いしましたが、人もまばらでした。
飯豊の奥地に湧く一軒宿
21世紀とは思えないような、山あいの田園風景の中。そんな道を、のんびり走った突き当たり。壮大な飯豊連峰をバックに「泡の湯温泉 三好荘」は建っています。この一軒宿は、「日本秘湯を守る会」に加盟する由緒正しき「日本の秘湯」。僕のケータイは圏外でした。
素朴な館内
受付で日帰り料金500円を支払い館内へ。高級旅館のような豪華さは一切なく、とても素朴な佇まい。田舎の親戚の家に帰ったかのようで、なんとなくホッとする雰囲気です。
「マタギ」の町でもある小国町。三好荘のご主人も、猟銃の免許を持っているそうです。館内には、そんな「マタギ」に関する展示スペースもあり、熊の毛皮や猟銃等が飾られています。
こじんまりとした浴室
お風呂は、「天然水わかし湯 桧大浴場」と、「100%かけ流し 源泉温泉」の2ヶ所。それぞれ男女別の内湯です。
僕はもちろん「源泉温泉」へ。3、4人が入ればいっぱいのこじんまりとした湯船に、薄茶褐色の源泉が、コンコンとかけ流されています。お湯の特徴と浴室は、山陰の山あいに湧く、鄙びた温泉群を彷彿とさせます。
大きな窓からは、飯豊連峰の絶景を望み、日中はとても明るく、まるで露天風呂のような開放的な湯浴みを楽しめます。
一級品の炭酸泉
泉質は、含鉄・二酸化炭素-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。溶存物質約12グラムの濃厚湯です。全国的にも貴重な炭酸泉で、泡付きはほのかに感じるぐらいですが、飲むとしっかり炭酸味がします。その他、濃いめの塩・ダシ・鉄と、様々な香りと味を感じ、鉄炭酸風味の濃厚なみそ汁を飲んでいるようでした。また、浴槽の温度は38度ほどの抜群なぬる湯。いつまでも入っていられる湯温ですが、成分が濃厚なため、意外と身体にガツンと来ます。