志賀高原に湧くエメラルドグリーンの薬湯!味はなんと正露丸!
[長野県] 熊の湯ホテル
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
こんにちは。群馬県との県境、長野県山ノ内町に位置する志賀高原は、近隣に渋・湯田中温泉郷や万座温泉等、日本の名湯が集中する、温泉マニア垂涎のエリアです。そして志賀高原にも、近隣の名湯たちに劣らない温泉があります。今回はそんな志賀高原で、全国的にも珍しいエメラルドグリーンの温泉を有する「熊の湯ホテル」をご紹介します。
高原のリゾートホテル
志賀高原の開放的な景色の道を、気持ちよく走っていると、リゾートホテルの点在するエリアに差し掛かります。「熊の湯ホテル」は、その中のひとつ。高原によく似合う、赤い屋根の白い建物は、どことなく昭和感の漂うクラシックな雰囲気です。
この時期は、冷涼な気候が避暑にピッタリですが、徒歩5分のところにスキー場があり、冬場は多くのスキー・スノーボード客で賑わうそうです。
脱衣所の掲示物
お風呂に入る前に、脱衣所で成分の分析表などを見る、というのも温泉の楽しみ方のひとつです。熊の湯ホテルでは、硫化水素や硫黄成分に対する独自の掲示物もありました。美しいエメラルドグリーンのお湯の正しい入り方、成分への注意を、熊の湯ホテルオリジナルキャラの棒人間が説明しています。
美しいエメラルドグリーンのお湯
大浴場は男女別で、それぞれ内湯と露天風呂があります。
内湯は、8人ほどが入れそうな大きさの浴槽がひとつ。全面木造の浴室は、風情も抜群で、昔ながらの湯治場のような雰囲気です。
お湯は、美しいエメラルドグリーン!全国的にも珍しく、ここだけでも一見の価値有りです。泉質は、含硫黄-カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉(弱アルカリ性 低張性 高温泉)。源泉温度が63度のため、加水はしていますが、加温・消毒無しのかけ流しでの利用です。強烈な硫化水素臭とアブラ臭の入り混じった独特の香りが特徴的で、意外にもサラサラな肌触りがやさしく、湯上りはさっぱりと爽快感はありました。浴槽のお湯は、少し熱めの適温で、出たり入ったりの入り方がおススメです。
湯口にはひしゃくが置いてあり、少し飲んでみると強烈に苦く、独特の香りと相まって、まるで「正露丸」をお湯に溶かし飲んでいるかのような味でした。
こじんまりとした露天風呂
男湯の露天風呂は、野生的な石を配した湯船です。スキー場の横にあるためか、大きな石に囲まれ、目隠しをされているようです。こじんまりとはしていますが、山奥の静寂の中、ゆったりと湯浴みを楽しめます。
また、しっかり硫黄の香りが体にまでこびり付き、湯上り後何時間経っても、自分の体から温泉の香りが漂っていました(笑)。