「毒」と名のつく唯一の温泉!?
[長野県] 毒沢鉱泉 神乃湯
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
こんにちは。長野県下諏訪町にある毒沢鉱泉は、武田信玄の隠し湯のひとつとして知られる温泉です。名前に「毒」がつき、ちょっと恐ろしいですが、昔から湯治場として親しまれてきた名湯です。こんな名前の温泉はほかに見たことないですね…笑
ちなみに「毒沢」の由来は、温泉の成分で沢の魚がみな死んでしまったからとか、信玄が外敵にこの温泉を知られないように自ら名付けたなどの説があるようです。
毒沢鉱泉の最奥部
毒沢鉱泉には3軒の旅館・入浴施設があり、今回は最奥部にある「神乃湯」へ。
他2軒の温泉がある住宅地の集落を抜けて、急坂のくねくねした細い山道をバリバリ走ると、その頂上に「神乃湯」があります。
建物は割と新しく、黒と茶が基調の和モダンで落ち着いた雰囲気の建物です。湯治場のイメージとは違い、意外とおしゃれでビックリです!笑
温泉は別棟にあります
浴室は宿泊棟と別にあり、外履きに履き替えていきます。ここも建物は新しく、おしゃれな和モダンで、いい意味で秘湯っぽくない感じがします。
また、浴室棟の奥には小さな参道があり、源泉を司る薬師・龍神・水神様えお祀る神社があります。
明るい浴室
浴室は男女別で、内湯のみとシンプルですが、大きな窓でとても明るく開放感があります。木造のぬくもりのある雰囲気もいいですね。そして、露天風呂はありませんが、大きな窓を全開すれば、半露天風呂に早変わりです!
泉質は、含鉄(Ⅱ)-アルミニウム-硫酸塩泉。泉温はなんと2℃…恐ろしく冷たいです。
ということで主浴槽はもちろん加温しています。循環併用ですが、消毒無しのため温泉本来の香りを感じられます。肌触りはキュッキュとしていて、お肌にまとわりつくような優しい感覚です。鉄分を含んでいるため、薄く茶色に変色したお湯がとても美しいですね!
キンキンに冷えた源泉浴槽
加温の主浴槽の横に、小さいですが非加温の源泉浴槽があります。源泉温度は2℃なので、こちらの浴槽はキンキンに冷えています。まず加温浴槽で充分温まってから、気合いを入れて源泉へ入湯。もう死ぬほど冷たくて、ギンギンと痛かったです…でもそのあとの加温浴槽が最高に気持ちいい!
そしてこの源泉は飲泉も可能です。酸味・渋味・甘味などを感じ、レモンジュースのようで、飲みやすく美味しかったです!体にもすごく良さそうな気もします。実際、戦前は源泉を精製して、医薬品として販売していたほど効能の高い温泉なんだそうですよ!