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裏磐梯の秋元湖や五色沼から程近くに佇む、森や湿地など自然に囲まれた高原ホテル 。築40年の山荘でしたが、建築家3人がリニューアルを手がけ、地元産の木材を内装に用いつつ、13室それぞれを異なるデザインにした、洗練された北欧風の部屋に仕上げています。宿名は、フィンランド語でHOTELLIはホテル、AALTOは波を意味するのだとか。平日に一泊二食付で利用してみました。
到着すると、フロント前のラウンジでウエルカムドリンクの林檎ジュースを頂きながら記帳。この日は、2階のダブルルームに宿泊。北欧家具が置かれた、モダンでシックかつ現代的で快適な設えです。窓からは、駐車場越しに吾妻連峰を望む景色。早速作務衣に着替え、1階の大浴場「大府平弁天の湯」へ。
玄関から右手の突き当たりに、男女別の浴室があります。棚に籐籠が並ぶ脱衣場には、小タオルやドライヤーも完備。浴室に入ると、左側に3人分のシャワー付カランがある洗い場。アメニティは、アロマ系シャンプーとナチュラル系ボディーソープです。
右側に4人サイズの石造り内湯があり、無色透明の含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉(源泉名: 裏磐梯大府平温泉)が、源泉かけ流しにされています。泉温51.8℃を、加水・加温せず41℃位で供給。PH7.9で、肌がスベスベする浴感です。湯口の湯を口に含むと、ほんのり硫黄臭がして弱塩味がします。
続いて、外の露天風呂へ。窓ガラスのはまっていない、半露天タイプです。3人サイズの木造り浴槽で、湯温は42℃位。灰色の小さな綿状の湯の花も、舞っています。森の景色を眺めながら、こちらでの源泉かけ流しの湯を貸切状態で楽しめました。
湯上がりに、ラウンジでご当地サイダーやコーヒー牛乳等のソフトドリンクが飲み放題(22時迄)なのがいいですね。また、中庭に面したデッキでは焼き芋のサービスがあるので、こちらでもまったりできます。
夕食は、1階の食事処「たごころ食堂」で。お品書き付で、フレンチのコースを箸で頂きます。そして直前まで知らなかったのですが、なんとビールやワイン、焼酎、日本酒が無料で飲み放題。これって、いわゆるオールインクルーシブというやつでしょうか。早速、スパークリングワインをチョイス。
前菜5品は、白河清流豚と九条葱のルーラード、鮟肝のムース洋風ポン酢ジュレ乗せ、フルーツドライトマトのクリスティアン、海老と刀根柿のマリニエール、聖護院かぶのブランマンジェと、運ばれてくるまで訳がわからん(フランス料理に疎くて失礼)。中皿に出た大根と地鶏のコンソメデミ・スープは、甘味のある大根でトロッとして美味い。付添えのパンに浸しても美味。次皿に出た旬野菜のサラードを野菜ピューレを付けては、普通のサラダかと思ったら、温野菜や茸のテリーヌ風を鮮やかに2種のソースで頂くもの。また次皿の三陸産の真鯛のポアレをフュメと野菜のソースでは、皮がパリっとして食感が良く、白ワインがすすみます。メインディッシュは黒毛和牛のサーロインのグリエをローストオニオンソースで頂きますが、数種の付合せの野菜数々もローストや茹でたり、揚げたりと美味く、口の中がカーニバル状態に。赤ワインも、更に追加です。パスタは、ヤリイカとイタヤ貝のチョコッと生パスタトマトソース味。デザートは紅はるか芋のグラッセ&濃厚パルフェで、芋の味が濃くて美味しかったです。
就寝前と翌朝に、また温泉へ。チェックアウトまで、好きな時に入れるのがいいですね。夜中に、夜食のおにぎりのサービスもありました。
朝食は、昨晩と同じ食事処で和洋折衷のハーフバイキング。お品書き付で、金目鯛のソテー・チキンカレー・地元産大根サラダ・オムレツやベーコン・キッシュ・フルーツ・トースト等が乗ったプレートがメイン。更に、暖炉の周りに置かれたおばんざいや御飯・汁物・ドリンクも自由に頂けます。地元産の食材や調味料を取り入れているのがいいですね。森に囲まれ、清々しい朝食となりました。
何だか食事のことばかり書いてしまいましたが、唯一の難点である大浴場の狭さも、源泉かけ流しの湯使いならば許せるところ。高級旅館並みの料金なので度々訪れる訳にはいきませんが、記念日や大切な人と、また全室1人でも泊まれるので、ゆっくり滞在して非日常を体感してみて欲しい宿です。
主な成分: ナトリウムイオン530.9mg、マグネシウムイオン1.2mg、カルシウムイオン117.9mg、フッ化物イオン4.2mg、塩素イオン911.0mg、水硫イオン2.7mg、チオ硫酸イオン4.9mg、硫酸イオン61.6mg、炭酸水素イオン49.7mg、メタケイ酸40.2mg、メタホウ酸35.9mg、遊離硫化水素0.4mg、成分総計1.769g14人が参考にしています