-
投稿日:2017年11月18日
温泉と芸術のコラボレーション (平賀敬美術館(閉館しました))
きくりんさん [入浴日: 2017年4月21日 / 2時間以内]
44.0点
-
55.0点
-
44.0点
-
0 - 点
-
0 - 点
箱根湯本の温泉街の奥にひっそりと佇む、日帰り入浴できる小さな美術館。一見すると古い木造の民家に見えますが、萬翠楼福住の別荘として建てられ、井上馨や犬養毅、近衛文麿などの明治の元老・重臣が逗留。また現代画家の平賀敬氏が晩年を過ごした家であり、国の登録文化財にも指定されています。平日の午前中に、美術鑑賞と入浴を楽しんで来ました。
現在は奥様が自宅を美術館として開放し、未発表作品など30点余りを展示されています。そして、ここのお風呂を貸切風呂として使わせて頂けるという、ちょっと変わり種の湯処です。玄関に置かれた大きな鐘を鳴らすと、奥から品のある奥様が登場。温泉に入りたい旨を伝え(ちょっと耳が遠いご様子)、美術館の入館料700円+貸切風呂1100円を払います。
玄関から左へ廊下を進むと、右側に浴室。札を入浴中にして、中から鍵を掛けます。狭い脱衣場で、ドライヤーなし。1人分の蛇口がある洗い場には、固形石鹸も完備。湯温低下防止の為か、半分木の蓋で覆われていたので、隅に片付けていよいよ入浴。
窓際に1人サイズの大理石造り内湯があり、無色透明のアルカリ性単純温泉[源泉名: 湯本温泉(福住湧泉) 台帳番号 湯本第3号]が、チョロチョロとオーバーフローしています。泉温42.4℃を、加水・加温せずにそのまま供給。当然、循環・消毒なしの源泉かけ流しです。PH8.9で、やや肌がスベスベする浴感。口に含むと、ほんのり石膏臭がして円やかな味がします。窓を開けると、なんと鉄格子。暴漢から重臣が襲われるのを、防ぐ為でしょうか。その先は、石垣です。お洒落な陶器製の枕があり、野鳥のさえずりに癒されつつ、まったりと湯浴みを楽しめました。
湯上りに、座敷でお茶とお菓子のサービス。平賀敬のNHK特集を収めたDVDを見ながら頂きます。途中から、ワンちゃんもご挨拶に。一服してから改めて、廊下や蔵の中に展示された作品を鑑賞しました。文化財の建物に源泉かけ流しの古湯、そして現代アートという、不思議なコラボレーション。ここでしかない唯一無二の体験を、一度はしてみても良いかも知れません。
主な成分: リチウムイオン0.01mg、ナトリウムイオン145mg、マグネシウムイオン0.27mg、カルシウムイオン28.2mg、ストロンチウムイオン0.05mg、第一鉄イオン0.05mg、アルミニウムイオン0.02mg、水酸イオン0.14mg、フッ素イオン0.28mg、塩素イオン135mg、硫酸イオン142mg、炭酸水素イオン29.9mg、炭酸イオン1.82mg、硝酸イオン1.37mg、メタケイ酸イオン7.09mg、メタホウ酸イオン2.42mg、臭素イオン0.30mg、メタケイ酸45.3mg、メタホウ酸4.95mg、遊離二酸化炭素0.06mg、成分総計0.545g
※平成17年の分析書だったので、そろそろ更新かも知れません9人が参考にしています
-