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南アルプスと伊那山地に挟まれた大鹿村の塩川沿いに佇む、明治25年(1892年)に開業した鹿塩(かしお)温泉の老舗旅館。また、日本秘湯を守る会会員の宿でもあります。平日の午前中、日帰り入浴して来ました。
鹿塩温泉は、その昔、諏訪大社からこの地へ移り住んだ建御名方命(たてみなかたのみこと)が、湧水を鹿が好んで舐めるのを見て発見したと伝わる古湯。また一説には、弘法大師が諸国遍歴の際一夜の宿を乞うが、山奥で塩が無いと老婆に断られ、その杖にて塩水を知らしめ、泊まることができたとも伝えられています。
入浴料800円は、ロビー奥のフロントで。玄関から左手の廊下を駐車場方向へ戻るように進み、芸能人の色紙や風景の写真パネルが飾られた通路の先に、男女別の大浴場があります。「ヒノキ風呂」と「石風呂」の2つの浴室は男女日替りで、この日の男湯は奥の「ヒノキ風呂」の方でした。
棚に籐籠が並ぶ脱衣場には、ドライヤーも完備。浴室に入ると、左側に5人分のシャワー付カランがある洗い場。アメニティは、フェニックス製です。
窓際に2人分の木造り寝湯が付いた、10人サイズの石造り木枠内湯があり、無色透明の含硫黄ーナトリウムー塩化物強塩冷鉱泉(源泉名: 鹿塩の湯1号)が満ちています。泉温12.8℃を、41℃位に加温。PH7.9ながら、肌がスベスベする浴感です。加水なし、循環・消毒ありですが、かけ流し併用で塩素臭は気になりません。湯口の湯を口に含むと、しょっぱい。さすが、煮詰めて山塩を作れるだけのことはあります。露天風呂はありませんが、2面大きなガラス窓なので、眼下に川のせせらぎと山の斜面の緑が眩しい爽快な景色。ずっと貸切状態で、まったりできました。
湯上がりは、海水と同じように肌のベタつき感がある強塩泉。是非一度泊まって、自家製塩の山塩を使った料理も味わって見たい宿です。
主な成分: リチウムイオン33.9mg、ナトリウムイオン7932mg、アンモニウムイオン13.4mg、マグネシウムイオン67.1mg、カルシウムイオン359.3mg、ストロンチウムイオン117.7mg、バリウムイオン50.8mg、鉄(II)イオン0.1mg、銅イオン0.02mg、フッ素イオン0.9mg、塩素イオン14050mg、臭素イオン26.4mg、ヨウ素イオン0.3mg、硫化水素イオン3.9mg、炭酸水素イオン137.4mg、メタケイ酸13.9mg、メタホウ酸183.2mg、遊離二酸化炭素16.5mg、遊離硫化水素0.6mg、成分総計23150mg20人が参考にしています