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東京メトロ銀座線の田原町駅から、徒歩で約3分。浅草の国際通りから、ふれあい通りへと入って、バーねもの角を右折した路地裏の奥へ。コインランドリーを併設する、江戸時代から150年以上続いた温泉銭湯。インパクトのある名前は、昔この近くに蛇骨長屋があったことに由来するのだとか。残念ながら、令和元年5月31日に惜しまれつつ閉館してしまいましたが、その前に平日の午後利用してみました。
入浴料460円は、玄関左側にある英韓中日の4ヶ国語対応の券売機で。右手のコインレス鍵付(鍵にはかわいい鈴付)下駄箱へ靴をしまい、フロントで入浴券を渡すシステム。左側が男湯です。
平成21年に改装されたという、コインレス鍵付ロッカーが並ぶ広く綺麗な脱衣場。ドライヤーは、3分20円です。天井の高い浴室に入ると、両サイドと奥、中央に24人分の固定シャワー付カランがある洗い場。カランも温泉で、アメニティも置かれています。
左手奥に7人サイズのタイル張り石枠L字型内湯 があり、茶褐色がかった透明の温泉法第二条該当泉(源泉名: 蛇骨湯)が満ちています。メタケイ酸・重炭酸ソーダの項で該当。泉温18.5℃を加温して、42℃位で供給。PH8.37で、肌がスベスベする浴感です。循環・消毒ありですが、塩素臭は気になりません。蛇口もあり、口に含むと無臭で微甘味。奥の深いところに、ボディージェット、ハイパージェット、電気風呂があります。奥の壁一面には、美しい富士山のタイル絵。男湯側には松、女湯側は桜でしょうか。
続いて、左側のひさしの所にある露天風呂の入口へ。左手前に6人サイズの石造り浴槽があり、湯温は42℃位。また奥に4人サイズの石造り浴槽もあり、こちらは水風呂で20℃位。冷却機の故障で水温が高いと書かれていましたが、交互浴に丁度良かったです。巨石を配した坪庭や、横にでっぷりと太った錦鯉が泳ぐ池、小さな滝を眺めつつ、まったりできました。「まさか無くなるとはね」と、常連さんたちの会話。さみしさに後髪を引かれる思いで、銭湯を後にしたのを思い出します。
そういえば、久住昌之氏が原作したドラマ「昼のセント酒」の最終回にも登場していましたね。人との縁の大切さを描いた、心温まる放送回でした。江戸時代から令和へ、老若男女、世界中の様々な国の人たちに愛されてきた湯処が、姿を消してから約1年弱。何かの縁で、また雄大な富士山のタイル絵が見られる日が来ることを願うばかりです。
主な成分: ナトリウムイオン124.2mg、アンモニウムイオン2.4mg、マグネシウムイオン15.2mg、カルシウムイオン29.7mg、フッ素イオン0.1mg、塩化物イオン129.2mg、臭化物イオン0.4mg、硫化水素イオン0.2mg、硫酸イオン5.5mg、炭酸水素イオン309.6mg、メタケイ酸59.2mg、メタホウ酸0.5mg、成分総計0.695g18人が参考にしています