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日光国立公園の山深く、平家落人の里で知られる湯西川温泉。その湯西川渓谷沿いに建つ、寛文6年(1666年)創業の老舗旅館。平日に、一泊二食付で利用して来ました。
どっしりとした、重厚な佇まいの古民家建築。太鼓を叩き、到着を出迎えます。この日は、本館西の館2階「時高」の間に宿泊。10畳の和室に、3畳小上がりと広縁、内湯が付いており、窓からは渓谷を見下ろす景色です。浴衣に着替え、早速1階の大浴場へ。
玄関から右へ進んで、突き当たりの右奥にあります。棚に籐籠が並ぶ畳敷きの脱衣場には、ドライヤーも完備。階段を半分程下りた左側に、内湯「公達の湯」。浴室に入ると、11人分のシャワー付カランがある洗い場。アメニティはPOLA製とミキモト製です。
14人サイズの石造り浴槽には、無色透明のアルカリ性単純温泉(源泉名: 高手観音の湯)が、かけ流しにされています。泉温63.1℃を、加水して42℃位で供給。PH9.0で、肌に優しい浴感です。口に含むと、無味ながら微かに硫化水素臭がしました。
続いて、階段を更に下まで下りて、露天風呂「藤鞍の湯」へ。岩窟のようになった、12人サイズの岩風呂。湯温は、こちらも42℃位。オーバーフローして、川へ注いでいます。間近に川のせせらぎを眺め、しばらく貸切状態でまったりできました。
夕食は、かずら橋を渡った対岸の食事処「平家の隠れ館」で。個室になっていて、「姫」の間へ案内。お品書きで、囲炉裏焼と会席膳を頂きます。食前酒や見た目にも鮮やかな前菜がならび、蕎麦粥はアルコールの前に食べると悪酔いしないのだとか。鹿肉のタタキも、クセがなく美味。和牛と豚の豆乳しゃぶしゃぶを食べたところで、囲炉裏焼の一升べら・岩魚の塩焼き・板台餅が焼き上がります。岩魚の造りはさばき立て、山菜の天婦羅も揚げ立てで、利き酒セットの地酒もすすんでしまいました。ちなみに帰りもかずら橋を渡るので、飲み過ぎだけは要注意です。
翌朝も川沿いの露天風呂で、川のせせらぎと野鳥のさえずりに癒されつつ、朝風呂を満喫できました。
朝食は、本館1階の食事処「懐古亭」で自然食バイキング。出汁巻き玉子や、馬鈴薯の餡掛けは熱々。山菜、茸、とろろや蕎麦など、山の幸に満足しました。
食後は、部屋の内湯へ。1人サイズの檜風呂で、小さな窓から川を望み、チェックアウト時間まで湯浴みも楽しめました。
自然に囲まれ、昭和初期の建物に身を寄せれば、タイムスリップしたかのよう感覚に。日常の忙しさから心を解放してくれる、大人の癒し宿です。
主な成分: ナトリウムイオン89.7mg、カルシウムイオン3.2mg、マグネシウムイオン0.2mg、フッ素イオン20.2mg、塩素イオン3.3mg、硫化水素イオン1.3mg、硫酸イオン3.5mg、炭酸水素イオン153.9mg、炭酸イオン8.1mg、メタケイ酸57.8mg、成分総計0.344g18人が参考にしています