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投稿日:2018年12月26日
山鹿温泉のシンボル (山鹿温泉元湯 さくら湯)
きくりんさん [入浴日: 2018年4月10日 / 2時間以内]
55.0点
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住所が「山鹿市山鹿1-1」という、正に山鹿温泉の中心地に威風堂々と佇む、九州最大級の木造湯屋を誇る共同浴場。また、九州温泉道の対象施設でもあります。平日の午前中、利用して来ました。
寛永17年(1640年)に肥後細川藩主が御茶屋をこの地に建てたことに始まり、明治3年~5年(1870年~1872年)の大改築により「市民温泉」として再生。また、明治31年(1898年)の大改修では北側の浴室の拡張と共に、道後温泉を手掛けた棟梁による唐破風の玄関を、さらに昭和4年(1929年)の3度目の大改修では、南側にも浴室を拡げ唐破風の玄関を増築。シャチホコのある立派な瓦屋根が直角に交わる「十字クロス構造」という独特の構造を持つ湯屋となりました。
しかし、昭和30年代の改修や昭和50年代の再開発により、当時の趣ある雰囲気は喪失。それもやがて老朽化により取り壊されるも、平成24年に明治期の風情ある浴室、昭和初期の荘厳な外観を見事に再現し、現在のように甦っています。
さて、そんな歴史は知らなくても、やっぱり見惚れてしまう立派な外観。道後温泉本館は明治・大正期建立の建物なので渋いですが、こちらはまだ新しくてピカピカです。入浴料300円は、玄関を入って左側の券売機で。受付のあるロビーの奥が男湯。10円有料ロッカーとプラ籠が並ぶ、ちょっと狭めの脱衣場にはドライヤーも完備されています。
梁が剥き出しになった高い天井の浴室に入ると、階段を下りた右側に21人分のシャワー付カランがある洗い場。石鹸などのアメニティはありません。なんとカランも温泉(源泉名: 金剛泉源)で、しかも浴槽の湯とは別源泉。奥のくまモンの横にも、5人分のシャワー付カランがある洗い場があります。
中央に34人サイズの石造り御影石枠内湯があり、無色透明のアルカリ性単純温泉(源泉名: 新泉源)が源泉かけ流しにされています。泉温40.0℃を、加温・加水せずそのまま供給。PH9.62で、肌がスベスベする浴感です。循環・消毒なし。真ん中に自噴していた当時を再現した湧出口がありますが、湯は底から注入。壁に掲げられた昔風の看板を眺めつつ、時間帯が良かったのか、ほとんど貸切状態でまったりできました。
奥にもう1つの脱衣場があり、そこには飲泉場も設置されています。なんと、こちらも浴槽の湯とは別源泉(源泉名: 薬師泉源)。口に含むと、ほんのり玉子臭がしてまろやかな味がしました。
風情ある木造湯屋で源泉かけ流しの肌スベ湯を、たった300円で楽しめるという贅沢な湯処。大きな内湯が1つだけではありますが、3つの源泉をカラン用と浴槽用、飲泉用に使い分けている点も、温泉ファンには魅力でしょうか。湯上りの最中アイスも、美味しかったですよ。
〈源泉名: 金剛泉源〉(カラン用)
主な成分: ナトリウムイオン60.5mg、カルシウムイオン1.8mg、フッ化物イオン1.6mg、塩化物イオン6.9mg、水酸化物イオン0.4mg、硫化水素イオン0.4mg、硫酸イオン18.2mg、炭酸水素イオン79.4mg、炭酸イオン21.0mg、メタホウ酸イオン0.7mg、メタケイ酸41.6mg、総成分量232.8mg
〈源泉名: 新泉源〉 (浴槽用)
主な成分: ナトリウムイオン52.3mg、カルシウムイオン1.4mg、フッ化物イオン4.1mg、塩化物イオン5.4mg、水酸化物イオン0.7mg、硫化水素イオン0.9mg、硫酸イオン14.2mg、炭酸水素イオン33.6mg、炭酸イオン30.1mg、メタホウ酸イオン1.4mg、メタケイ酸43.7mg、総成分量188.1mg
〈源泉名: 薬師泉源〉 (飲泉用)
主な成分: ナトリウムイオン43.7mg、マグネシウムイオン1.3mg、カルシウムイオン9.0mg、フッ化物イオン0.7mg、塩化物イオン3.6mg、水酸化物イオン0.1mg、硫化水素イオン0.8mg、硫酸イオン11.2mg、炭酸水素イオン113.6mg、炭酸イオン12.0mg、メタケイ酸71.4mg、メタホウ酸0.4mg、総成分量270.2mg29人が参考にしています
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