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伊豆下田の蓮台寺温泉に佇む、創業130余年の老舗旅館。日本クアハウス協会の会員宿でもあります。平日の午後、日帰り入浴してみました。唐破風御殿造りの玄関と入母屋造りの屋根を持つ、老舗感バリバリの本館。普通なら敷居が高くてそうそう立ち寄りなど出来なさそうですが、クアホテルの新しい看板と宿泊・入浴・食事と書かた行燈が出ているので、あっやっぱり入浴も出来るんだと、ちょっとほっとさせてくれます。
入浴料は、この趣きある本館の受付で。通常は平日1000円+消費税のところ、宿の公式HPを見たと伝えると、100円割引になります。このロビーの格天井と漆喰で造られた花々が見事。この時は、一角に昔の雛人形が飾られていました。ここから奥の階段を上がって、廊下を進むと長いトンネルへ。戦時中は、防空壕に使われたりしたのだとか。今は、オーストリアの総合リゾートスパ「バード・ハル」と友好提携した、記念のギャラリーも兼ねてます。トンネルを抜けると館内はかなり広く、池を取り囲むように客室棟。表示に従い、赤い絨毯の廊下を左右にいくつか曲がって、最奥の大浴場へ。
棚と一部コインレス鍵付ロッカーが並ぶ脱衣場には、ドライヤーも完備。浴室は、入浴プログラムが掲示されたクアハウスとなっています。右側奥に、7人分のシャワー付カランがある洗い場。アメニティは、一般的なものです。奥の窓際に10人サイズの石造りタイル張り枠内湯があり、うっすら青みがかった透明の単純温泉(源泉名:蓮台寺2号、蓮台寺24号、蓮台寺26号 3泉混合泉)が、源泉かけ流しにされています。泉温45.4℃を加水・加温せず、42℃位で浴槽内から供給。PH7.77ながら、肌がスベスベする浴感。一部、ジャグジー付です。入口近くの左側には、3人分の打たせ湯。もちろんかけ流しで、口に含むと円やかな味。右側手前には、3人サイズの石造り寝湯があり、湯温は36℃位。隣に、2人分の箱むし風呂もありました。続いて、外の露天風呂へ。6人サイズの岩風呂で、湯温は40℃位。囲まれていて、景色が見えないのは残念。とはいえ、ずっと貸切状態でまったりできました。
脱衣場に分析書がありませんが、隣のラウンジ入口上に掲示。日本温泉協会の温泉利用証もあり、引き湯と新湯注入率以外は5という高評価。ところが、入浴した感想は中途半端感が否めない。やはり、最初に本館の立派さが脳内に刷り込まれてしまい、温泉に行ってみるとアレ?違うと思ってしまうのかも。大浴場は、あくまで純和風がいい。湯温の違う檜造りの内湯を2槽と半露天風呂の岩風呂を、現在の浴室スペースに配置し、小ぶりでもオーバーフローするかけ流しで。露天がある所は、風情ある坪庭を設えば、源泉かけ流しの湯が生きます。クアハウスは別棟に移し、新しく更に発展させるのはいかがでしょう。いい湯といい宿なので、もっと良くなって欲しくて、ちょっと妄想しちゃいました。
主な成分: ナトリウムイオン110.1mg、マグネシウムイオン0.6mg、カルシウムイオン34.8mg、ストロンチウムイオン0.1mg、フッ化物イオン0.8mg、塩化物イオン52.0mg、硫酸イオン150.5mg、炭酸水素イオン63.5mg、メタケイ酸26.9mg、メタホウ酸0.3mg、遊離二酸化炭素15.4mg、成分総計0.4604g21人が参考にしています