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年末、一泊二食付で利用しました。数々の文豪が宿泊した木造旅館で、国の登録有形文化財に指定されています。17ある客室はすべて造作が異なりますが、公式HPを見て確認。今回は、「桜一」を選びました。川に面した、障子や欄間の意匠が素晴らしい、お部屋です。館内には、「丸風呂」と「岩風呂」があり、19時で男女入れ替わり。朝もそのままとのことで、早速「丸風呂」へ行ってみました。脱衣場と浴室の間の欄間に、思わず目を奪われます。「大丸風呂」は先客がいたため、隣の「小丸風呂」から。2人サイズの木造り金枠円形浴槽で、板張りの床にサラサラと、無色透明のアルカリ性単純温泉がオーバーフローしています。泉温は、43℃位の熱め。湯口は、壁から浴槽に渡された青竹ではなく、底から地下水で泉温を調整して出ています。続いて、隣の「大丸風呂」も。4人サイズの木造り金枠円形浴槽で、やはり泉温は43℃位。こちらも、いい感じにオーバーフローしていました。PH9.0のお湯は、優しい浴感。さて、部屋に戻って夕食です。魚や野菜を中心とした会席料理をいただきます。お品書きはなく、仲居さんがお皿ごとに説明。お酒もすすんでしまいます。一休みして、就寝前に「岩風呂」へ。8人サイズ石組み浴槽で、湯口付近では、茶色の湯の花も見られます。泉温は、41℃位の少しぬるめ。壁に配した岩を伝って、湧き水が流れ込む造りになっています。こちらも、いい感じにオーバーフロー。少女のタイル画と、手すりの擬宝珠が、和洋混在で面白い。翌朝も、ゆっくり堪能しました。朝食も部屋食ですが、これは普通だったので、ちょっぴり残念。部屋に鍵もなく(内側からは掛けられます)、またトイレも部屋に無く(共同トイレは、ここも文化財かと思える程趣があるのに、何と洋式!)、不便なところも多いですが、違う季節に、違う意匠の部屋にまた泊まってみたいと思える宿でした。
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