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尻川を挟んで八町温泉の向かいにあるのが玉梨温泉です。JR川口駅前の信号を国道400号に入って数キロ先に位置します。山奥の温泉地で歓楽施設など皆無の環境。旅館恵比寿屋さんの先の橋を渡ると右側に湯小屋が建っています。対岸の八町温泉も良く見えるロケーションです。
湯小屋は質素な物置小屋風の建物ですが、男女別の内湯とアコーディオンカーテン付き脱衣所を完備し、混浴の苦手な向きでも安心して利用できます。入り口を開けると、タタキになっていて向かって左が殿方、右側が姫方の浴室。簡素ながら脱衣所の棚もしっかりしています。タタキの奥はすぐ壁になっていて、休憩用のイスも二つ置かれていました。体重計もあって、地域住民の健康管理に一役買っている模様。壁には協力金を入れる貯金箱風の入れ物や、大口の寄付をした人の芳名、泉質データ、利用にあたっての注意事項なども張ってあります。そのなかでも面白かったのは、「この施設は平成7年度宝くじ助成で整備したものです」という張り紙。宝くじって何に使われているかと思ったら、なんとも素晴らしい使い道。宝くじファンに感謝です。
湯船は只見川界隈の共同湯で良く見かけるコンクリ製で、小ぶりな2~3人サイズ。湯船の脇にはちょっと場違いなシャワーも設置されていましたが、どうやら水しか出ないようです。湯船の縁や溢れ出しの部分には赤茶色の変色や折出物が見られ、コテコテに鄙びちゃってます。湯の表面には浴槽の半分を覆うように油膜が浮いていました。成分も濃いようで、期待が膨らみます。壁からはニョキっと太目の投入管がなぜか若干右曲がりで出ており、そこから無色透明の湯がドゴドゴと注がれています。溢れ出しも多量。そしてその投入口の周りにもビッシリとツブツブ状の析出物が付着し、思わず撫でくりまわしました。
湯温は投入口で体感45度、湯船内では体感43度のやや熱め。体の芯までしっかり温まる浴感。八町温泉共同湯より湯温も高く、成分も濃い印象。源泉を口に含むと炭酸独特の臭いと苦味、そして弱塩味を感知。無色透明な源泉は湯船内で薄い貝汁濁りとなっており、浮いていた油膜はいつの間にか消えていました。生活感溢れるバリバリの地元密着型の湯です。もう何度も入浴していますが、入るたびにホッとさせてくれる味わい深い湯です。
※写真は上が湯船、下がザ・湯口のズームです(笑)。珊瑚情のツブツブ析出物が見事です。6人が参考にしています