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夏に宿泊してきました。
周囲には何もない自然の中の一軒宿で,宿までの道もなかなかの隘路ですが,宿泊客は駅まで送迎してくれます。建物は歴史が感じられる山小屋風の秘湯情緒漂うものですので,当然設備もそれ相応ですが,手入れはよくされているようです。また,宿の傍を流れる前川に面する部屋からは渓流と滝,そして山の緑が眺められ,川のせせらぎを聞きながらゆったりとした時間が過ごせます。
温泉ですが,内湯(混浴の方)は湯治場情緒のある石造りの浴場に10人程度入れる浴槽があり,薄く白濁した特有の温泉臭のする良質な源泉が掛け流されています。浴室の天井も高く,窓を開けると露天風呂のような開放感もあります。ただし正規の洗い場はなく,隅の方に腰掛とシャンプーなどが置いてあるだけです。また,人気の露天風呂は宿から100mほど歩いたゴロゴロと巨石が散乱する前川の渓流脇にあり,こちらも10人程度入れる岩風呂にやや乳白色に濁った源泉が掛け流されています。宿の人の話では,泉質は内湯と同じとのことでしたが,どうも露天風呂は内湯より硫黄臭が強いように感じました(掲示されていた泉質表示表にも,露天の方にだけ「含硫黄・・・」の表記がありましたので,たぶん少し違うのではないかと・・・)。なお,山の中だけに夏場の露天は虫に注意です。
その他,食事は朝夕とも部屋食で,山奥の旅館としてはまあまあでしたし,スタッフの方の応対も親切でしたので,高級旅館志向の方にはお薦めできないものの,基本的に山の中の素朴な湯治宿ということを理解していれば,秘湯マニアならずとも十分堪能できると思います。2人が参考にしています