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山の中の一軒宿であるが、阪和道を利用すれば大阪市内からも意外なほど近い。大阪府内の深山幽谷の地にある一軒宿としては、他に太子温泉があり、こちらはどちらかと言えば家族連れ向き、一方奥水間温泉はカップルなどがひっそりと利用するのが似つかわしい。風情も泉質も、こちらがやや上だ。純和風の建造物だが、決して鄙び系でなく立派なもの。庭園も綺麗に整備され、実に美しい。
私は日帰りの立ち寄り湯を利用した。立ち寄り湯は平日しか利用できないので注意が必要だ。
浴室内は、L字型になった内湯の主浴槽がひとつ。浴室の奥には大きなガラス窓があり採光性が良く、渓流の景色を眺めつつ入浴可能というわけ。飲泉場所が岩を利用して造られてあり、竹模様のコップが設置、少量ではあるが源泉が絶え間なく流れ落ちている。飲んでみると天然温泉を実感させられる金気臭がしており、源泉はかなり良いものと思われる。
扉を開けると露天風呂がある。小さな浴槽がひとつあるのみだが、この場所は渓流と木々の緑を眺めつつ、湯を味わう幸福に浸ることができる。源泉は冷泉だが、41度前後に加温され、丁度良い湯加減、露天風呂ではついつい長湯してしまいそうになる。
夜間、蛍の姿を眺めながら入浴すれば最高かもしれない。そうなると宿泊せねばならないが。
泉質は純重曹泉らしく、かなりツルヌルとする湯である。同じ大阪の犬鳴山温泉と比較すると、ツルヌル度では犬鳴山温泉がやや上回る。循環の湯ながらかなり肌触り濃厚なもので、源泉はかなり濃いものと想定される。それだけに塩素消毒・循環利用は残念だ。源泉で感じた鉄臭が完全に消えてしまい、塩素臭が残るのみ。こんな風情豊かな温泉で、源泉かけ流しであれば、何度でも利用したいところなのに。
他の方がクチコミされていられるように、食事付きで利用するのも一興かと思う。風情豊かな旅館と入浴施設であるので満足できるだろう。ただ、私個人は温泉の利用方法において満足できない。4人が参考にしています