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南海電車湊駅下車徒歩すぐのところに位置する。以前この周囲には、海水を利用した銭湯がたくさんあったらしいが、現在はこの湊潮湯のみ。貴重な存在だ。
マンションの一階部分を利用して造られており、以外なほど近代的。番台はなくカウンター形式で、ロビーには喫茶コーナーもあり、風呂上りに冷えたビールやその他飲料水を飲むことができる。常連客の憩いの場になりそうな雰囲気だ。
脱衣場は比較的狭い。浴室は平均レベルの広さで、ここは関西ではどちらかというと珍しく、カランが浴室の中央に位置し、逆に浴槽が端に位置する。主浴槽は男女の仕切り壁沿いにあり、人工炭酸泉が満たされている。ジェット付きで、結構広い浴槽である。
だが、なんと言ってもここの目玉は海水風呂だ。浴室の奥に5~6人入れる浴槽に、海水が満たされ、その横に水風呂、温まった身体を時折水風呂で冷やしながら、海水風呂に浸かるのは、実に刺激があって良い。
また、小さな露天エリアも付属しており、ここには海水の打たせ湯と海水露天風呂もある。気のせいか、露天風呂の方が若干磯の香りがするような感覚、尤も、海水を貯蔵タンクにくみ上げて、濾過して沸かしたものを浴槽に注入し、循環させているため、磯の香りは大半が消えているが。塩素臭ではないが、僅かに薬品の匂いがする。
とは申せ、舐めてみるとすこぶる塩辛い確かな海水、とても身体が温まる良いものであった。コンビナートの沖合い2.5kmまでパイプを延ばして海水を汲み上げるとの宣伝文句にも魅かれる。天然温泉も良いが、海水風呂も捨てがたい。天然温泉のナトリウム泉とは比較にならぬほどの塩辛さは、身体に良い刺激を与えてくれる。湯あたりに注意せなばならないほどだ。
海水風呂は良い湯であるし、自然の海水を利用するのは優れた試みである。皮膚にも良いようで、風呂上り肌がすべすべした。こんな銭湯が近所にあればいいににと心底思う。1人が参考にしています