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光明池近く、泉北の住宅地に位置するスーパー銭湯、比較的閑静な場所にあり、夜間に赴いたこともあってか、少々発見しにくかったのが実態。ゴルフ練習場に隣接するので、それを目安にするとわかりやすい。
新規参入のスーパー銭湯ではないが、結構浴室内のアイテムは豊富。入浴料600円というのも相対的低価格であるし、土日祝とも同一価格というのも、休日だけ100円ほど価格を上げて、ちゃっかり収益を確保しようとするスー銭が寧ろ主流な中で出色だ。普通の給与生活者ユーザーの立場からすれば、スー銭は大半休日しか利用できないのに、混雑するは、傍若無人な餓鬼は多いは、湯は汚れてるは、その上価格は高いでは、踏んだり蹴ったりであり、その意味でこの施設の価格設定は良心的であり好印象を抱く。
内湯にはジャグジー・ジェットの所謂ブクブク系機能バスが豊富で、歩行湯の珍しい種類のものも付属しており、飽きさせない。サウナも普通の遠赤外線サウナのみならずアロマサウナ、ミストサウナの高温中温低温三種のものが用意され、私が経験したスーパー銭湯のなかでも多様な設備を有するものと思う。スー銭で湯治という人はあまりいないだろうから、フィットネス等身体に刺激を与える目的で利用するならば好都合だろう。
問題は天然温泉の利用法である。施設の売りも当然「源泉光明の湯」と銘打たれた赤茶けた源泉を利用した天然温泉のはずである。内湯と露天エリアに一つずつ天然温泉浴槽があり、それぞれ加熱・循環した上で利用されている。ナトリウム・カルシウム・塩化物強塩温泉は、強い塩味と金気臭豊かな存在感ある所謂有馬系の湯で、玄関のモニュメントや、浴槽に申し訳程度に注がれる源泉を観察すれば充分にその存在感を認知できる。その優れものの源泉を加熱・循環はまだしも、金気臭を完璧に消去するほどの強烈な塩素臭に苛まれる類のものに堕してしまう利用法はいささか疑問。これでは赤い塩辛い塩素風呂、入浴者の多い施設ゆえ、衛星管理上悩ましい措置ではあろうが、天然温泉浴槽のみならず全ての浴槽が哀しき塩素風呂であった。
せっかくの優れた源泉なのだから、主たる浴槽は温泉資源の有効利用の観点から循環・塩素消毒せざるを得ないにしても、塩素濃度を今一度考慮いただきたいもの。その上で小さくとも源泉かけ流し浴槽を一つ造れば良い施設になるのに、このままでは「赤い温水プール」に浸かる哀しさだけ印象に残り、まことに残念だ。
スーパー銭湯にかけ流し云々を言うのはお門違いだという意見もあるだろう。しかし天然温泉を標榜する以上は天然温泉の効能が発揮される利用環境とすべきで、そうでなければ天然温泉など掘り当てる必要もなく白湯に入浴剤を混ぜて提供すれば充分で、その分低価格にすればよい。スーパー銭湯であっても、例えば尼崎の「湯の華廊」や羽曳野の「華の湯」のような良心的天然温泉利用法もあるのだから。3人が参考にしています