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サウナ×サウナ禁止

週に8回銭湯に行っていた人間が、
急に銭湯に行けなくなるとどうなるのか

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ヨッピー
ヨッピー

「銭湯神」を自称する、銭湯大好きライター。ずっと銭湯の良さを発信し続けており、サウナブームが来て「やっと時代が追い付いてきた……」と泣いているらしい。銭湯通いは週に8回。

ヨッピーの超個人的ベストサウナ

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こんにちは。銭湯神(せんとうしん)のヨッピーと申します。
急に知らない人が出てきて「銭湯神です」とか言われても困惑すると思うので説明します。
銭湯神とはつまり……、

ヨッピーの写真

銭湯の、神です。

僕はそんな風に銭湯神を自称しながら週に8回くらい銭湯(サウナ)に行くのですが、取材された時なんかに「週に8回銭湯に行く」と言うとだいたい「お前みたいなクルクルパーはひょっとしたら知らないかもしれないけど、1週間は7日しか無いんやぞ?」みたいな顔をされるので説明させて頂きます。

まず、本当に毎日、寝る前には銭湯に行きます。22時とか23時くらい、子どもが寝たあとに歩いて近所の銭湯に行ったり、自転車に乗ってちょっと離れた銭湯に行ったり。お気に入りの銭湯が近隣に3,4軒あるので「今日はどこに行こうかなぁ」などと考えながら毎晩出かけます。これが週に7回。

高円寺の小杉湯の写真

お気に入り銭湯のひとつ、高円寺の小杉湯。

更に、夜銭湯に行く以外にも、朝からサウナ施設に行ってサウナに入り、休憩室的なところでパソコンを開いて原稿を書いたりします。原稿に詰まったらサウナに入り、戻ったらまた原稿を書いて、みたいなルーチンを晩御飯の時間くらいまで繰り返すわけです。これが週にだいたい2回くらい。そういう日も夜は別で銭湯に行きます。

合計すると週に9回、銭湯及びサウナ施設に行っている計算になりますが、友達と飲みに行って帰りが遅くなり、銭湯に行きそびれる日もたまにあるので1回減らして「週に8回くらいかなぁ」という寸法であります。この生活をかれこれ10年くらい続けております。

サウナの写真

今日はそんな風に、狂ったように銭湯に行っている人間が、急に銭湯に行けなくなったらどうなるのか、という話をします。前置き長いな。

あれは新型コロナウイルスがジャジャンと世に出てきて1度目の緊急事態宣言が出た頃で、「とにかくステイホーム!」「猫も杓子もステイホーム!」「お前もお前もステイホーム!」「あ、お前は外出してる!死刑!」みたいなテンションの世の中でした。

僕はあちこち取材に行って原稿を書くのが仕事なので、当然ながら全ての仕事が綺麗に全部「延期!」「休止!」「中止!」ってな具合で無くなります。

僕は自営業ですし「仕事が減る=収入の激減」という感じなので、仕事が無くなる事自体が死活問題ではあるのですが、「収入が減ったところで困るのは2,3か月後の話だし、まあ先の事はどうでもええやろ理論」という僕が生み出した一分のスキも無い屁理屈で収入の激減に関しては事なきを得ました。いやー、危ない危ない。

しかしながら問題になるのが銭湯に行けなくなる事です。実際、公衆浴場組合や各地の自治体から「家にお風呂がある人は銭湯に行くのを控えてください」みたいな通達が出ておりました。

「そんな通達は無視して銭湯通いを続ける」という選択肢がある事はあるのですが、前述のとおり当時は社会全体がナーバスになっていましたし、僕の場合は時折、「ヨッピーさんですよね?」みたいに銭湯で話しかけられるケースもあるのです。

つまり、顔が割れてる状態で銭湯通いを続けていると、「ヨッピーの野郎、銭湯神とか言いながらステイホーム中に銭湯通いを続けてやがる!」などとTwitterに書き散らされ、ボッコボコに叩かれまくって村八分になり、なんかデカい石を抱えて正座とかさせられる可能性すらあります。いやだ!デカい石を抱えて正座なんてしたくない!
そんな僕に取れる選択肢はふたつです。

ひとつは、銭湯通いをやめること。そしてもうひとつは、家の風呂を叩き壊すことです。

そう、家にお風呂さえ無ければ「ワシ、家にお風呂がありまへんねん」と大きな顔をして銭湯に通えるわけです。まさに銭湯の神にそぐわない、天才の発想ですね。

そうして僕はデカいツルハシをモノタロウで発注し、家の浴槽を叩き壊せば万事解決、という夢を見て実行寸前までいったのですが、奥さんに死ぬほど怒られたため泣く泣くその案を捨てざるを得ませんでした。
仕方ないので、「銭湯はしばらく控えるか……」と、10年近く続けた銭湯通いを中止したわけです。そんな僕に、どういう変化が起こったかと言うと……、全然寝られなくなりました。これには本当にビックリしました。元々睡眠が短くて浅いタイプではあったのですが、それに輪をかけた「不眠」と言っても過言ではないような状況に陥ったのです。

いかんせん当時は子どももおらず、仕事も無く、そして家からも出られないわけですから、朝9時くらいに起きてからはNetflixを延々見るかゲームをするかくらいの選択肢しか無く、食材を買いにスーパーに行く以外はほぼ引きこもり、みたいな生活を送っていたのですが、そうすると夜中の2時に就寝したのに4時くらいに目が覚め、明け方7時くらいまでまた寝付けない、みたいな感じになります。

そうして「不眠」と言っても過言ではないような状態が1週間とか2週間とか続くとどうなるか。今度は食道に食べ物がつっかえるようになりました。まさに「食事も喉を通らない」みたいな状態。

何か食べると喉につっかえてめちゃめちゃ不快なんですよ。お茶を飲んでもなんかつっかえてる感じがすごい。それで「食道 詰まる」とかで検索すると「食道ガンかも?」とか出て来るんですよね。何それ超こわいんですけど。

「これはヤバいかもしれん」と思ってお医者さんに行ったら諸々の検査をしたあげく、「ストレスによる抑うつ状態やね」などと言われましてね。「ストレス!? 産まれて40年近く、ストレスとは無縁の生活を送ってきたこの僕が!?」と思ったのですが、思い当たるのは銭湯に行けなくなった事です。

なるほど、僕にとって銭湯に行けないのは、体に不調が出るほどのストレスなのか……!

そんな感じでお医者さんには「一旦は漢方を処方して様子を見るけど、このまま不眠が続くと怖いからね」などと言われましてね。

「ここまで来ると、家でなんとかして『ととのい』を再現しないとまずいことになる!」と思い、即座にコレを買いました。

ポータブル浴槽の写真

じゃん。ポータブル浴槽です。Amazonで5,000円くらいで買える。これに水を張って保冷剤をブチ込めば、夏でも16~18度くらいの水温になります。

そして、元々ある浴槽、つまりツルハシで叩き壊されずに済んだ浴槽にはお湯を張り、入浴剤については色々試した結果、草加健康センターの「救養草」と花王から出てる入浴剤「メディキュア」のダブル使用に落ち着き、あとは熱めの設定温度でじっくり浸かって温まるとめちゃめちゃ汗が出る!

そんで「限界!」ってなったら即座に水風呂にin!ヒュー!!
これを3セット繰り返したら体を拭いて、窓を大きく開けた部屋で扇風機の風を浴びたりするとバッチリととのうのダ!

やったー!家でも交互浴が出来る~~!

もちろん、「ポータブル浴槽が死ぬほど邪魔」という問題もあるのですが、流石に体に不調が出て不眠に陥ってるレベルなので奥さんもそこらへんには目を瞑ってくれました。とは言え本当に邪魔なので使ってない間は浴槽に放り込んでおこう。

こうやって家でなんとか温→冷の交互浴が出来る環境を整え、「運動不足も良くないやろ」という事でダイエットがてらNintendo Switchのゲームを利用して1日1時間くらい運動するのを日課にした結果……、抑うつ状態、治る!!いやー-、お風呂の力は偉大……!

とは言え、銭湯に行ってサウナや交互浴でととのうのを「100」とした場合、家で簡易的な交互浴をする満足度は「80」くらいな気がします。何故なら浴槽も水風呂も小さいので……。

やはり、デカいお風呂に足を伸ばして入ることこそ至高だし、田舎の方に行くと地域の銭湯や温泉施設が地域の集会所みたいになっていて、ご高齢の方々がそこで楽しそうにおしゃべりする姿もたくさん見てきましたので、ああいう施設が休止・閉鎖する事で行き場所やコミュニケーションの手段が奪われ、統計には出て来ない、長期的なQOLを害するようなケースもたくさんあったんじゃないかと思っています。

銭湯の写真

とにかく、「銭湯・サウナ通いを禁止される事であらためて銭湯・サウナの偉大さを知る」という経験をしたわけですが、あれ以来、銭湯に行ける事のありがたさを噛み締めるようになりました。皆さんも、週に8回とは言わないので、4回くらいは通ってください!



※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません

写真提供:豊田佳高、ニフティ温泉編集部
取材・文:豊田佳高
編集:ニフティ温泉編集部

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