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この温泉銭湯には3年以上前に一度入浴したのみで、当時は循環湯であるとの先入観や特徴のない泉質から、私にとってはインパクトの弱い温泉銭湯との認識で、近隣の温泉銭湯では南市岡田中温泉やテルメ龍宮をもっぱら利用するというのが常態であった。ところが近年の口コミなどを見るにつけ、塩素消毒臭がしないなどの肯定的評価が気がかりで、なおかつ二階の浴槽は未経験であることもあり二回ほど続けて利用してみたところ、優れた湯の利用方法とあいまって、泉質そのものも悪くないと認識を新たにした次第。
二階は天然温泉の露天風呂が設けられ、浅めの岩風呂普請の浴槽と打たせ湯がある。天然温泉の打たせ湯だから贅沢なもの。ただ水圧は平均的で、神戸の灘水道筋温泉にあるような強烈な水圧などと較べると見劣りする。湯温はややぬるめで長湯しやすく、夏場は露天の浅瀬で座って過ごすのが快適だろう。冷たい水風呂との温冷交互浴も快適だ。
内湯は一階部分の天然温泉浴槽の小型版L字型浴槽といってよく、一番高い場所にある電気風呂から始まって、ジャグジー・ジェット、最後に深めの浴槽へ順次湯が流れ行くシステム。白湯の浴槽も一つ付属する。
以前私が入浴した折には天然温泉の浴感がほとんど感じられず、僅かな塩素臭を感知した一方、今回は全く塩素消毒臭を感知しなかったのは湯の使い方が変わったのか、私の認識違いかは判然としないが、若干のツルヌル感と天然温泉の芳香は、街の温泉銭湯としては充分満足ゆくものであった。
源泉に影響を及ぼす内容も貼り紙に情報開示されており、加水なし、加温なし、入浴剤無添加、営業中塩素系薬剤の注入なし、湯温を一定にするための循環濾過システム利用、毎日喚水のうえ高濃度塩素系薬剤で浴槽洗浄との表示がある。西宮の双葉温泉と似通った湯の利用方法で、数日間湯を入替えることなく循環させた上で塩素を大量にぶち込んで消毒するスー銭にありがちな方法などと較べると余程良心的といえる。
大阪湾沿いのよく似た泉質の温泉銭湯としては、南市岡田中温泉、尼崎の戎湯、ふれ愛温泉矢田等があろうが、南市岡と戎湯は純然たるかけ流しであるためその後塵を拝するものの、大差なくその次あたりの位置にある。湯上りのスペースも庶民が憩うに好都合なもので好感が持てる。これなら常連になってもよいと再認識をした次第。
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