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現在ある入浴施設に北側に、新施設が建設されていたところ、本日がオープンであった。なお、本日から3日間入場料無料とのこと。さすがに混雑しており、空いている脱衣箱を探すのに一苦労といった状態、元来人気施設であったから無理もない。
外観から判断して、かなり大規模かと思ったところ、意外と小振りだ。券売機で入浴券を購入するのは従来と変わらないが、靴は100円を投入して後で返却されるシステムが採用された。
受付カウンターのある長方形のロビーは、椅子が沢山置いてあり、待ち合わせには好都合、随分近代的になった。
浴室内は天然温泉浴槽と白湯浴槽が渾然一体となってつながり、それが主浴槽を形成している。奥にサウナと電気風呂(天然温泉)及び水風呂がある。サウナも水風呂もやや大きくなったが、小規模なことには変わりなし。
露天エリアにも天然温泉浴槽がある。従来の露天エリアのように大半が浴槽で占めるといったことはなく、休息スペースも設けられている。浴槽は半円形の比較的小振りなもの。天然温泉浴槽の面積は、従来とほとんど変化あるまい。
問題は泉質だが、鶯色とおぼしき色合いの湯は従来どおりである。ただ、旧施設の露天風呂に注がれていた湯は実に芳しい天然温泉の香りであったのが、新施設に注入されている湯の匂いをかいでみると、浴槽の湯との違いが感じられなかった。即ち循環の湯か。大幅な泉質悪化は認識できないが、完全な源泉かけ流しの旧施設と比較して、天然温泉の魅力は半減した。
また、以前はペットボトル2本まで持ち帰ることができたのだが、新施設では飲泉施設が消滅してしまい、残念なことだ。これは大きなマイナスポイントである。飲泉することにより、天然温泉の効能を内からも取り入れることができるのに、それが不可能になってしまった。
良くも悪くも、湯治場的雰囲気は完全に消滅し、今どこにでもある近代的銭湯に様変わりした。もはやここには地域共同体の匂いなどない。濃密な地域共同体の匂いを一掃し、ピカピカのどこにでもある温泉銭湯になった。
バリアフリーが完備され、利用者は便利になったかもしれない。今までの共同湯のような雰囲気なら行く気がしなかったが、綺麗な施設になったので行ってみようと思う人もいるだろう。しかし、私にはこういうものが温泉の進化であるとは到底思えない。日本中同じような温泉施設ばかり作って、それが進歩であるとは到底思えない。利用者の声に聞き耳を立ててみると、ほとんどが否定的感想であった。私も奈良くんだりから源泉かけ流しの魅力に惹かれて高速を飛ばして入浴しに来る気が失せた。
なお、新施設になったので、新たに評価をしておきます。1人が参考にしています