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露天風呂が新設されて、油臭と金気臭のする源泉濁り湯に浸かれるというのがやはり最大のお勧めポイントなのだが、この浴場はオーナーの強烈な個性が発揮されており、秀逸な天然温泉を抜きにしても十分に愉しめるのではなかろうか。設備の一つ一つが他の平凡な銭湯とは微妙に異なるのである。単に規模が大きいというだけではない。オーナーのこだわりが随所に出ているので、それを見るだけでも面白い。
近代的スーパー銭湯の洗練された雰囲気はないところが、逆に私には好ましい。屋上付近の温泉マークにいきなり笑える。
脱衣場にある浴室に向けて設置された大型テレビを、湯に浸かりながら見ることのできるシステムは、ここだけでなく親戚筋の経営の「湯処あべの橋」や「クア武庫川」でも採用されているけれど、ここでは浴室内でも音声付のサービス振り、さすがに本家だ。
他にも、適温・熱湯・冷水の三つの個性的カランや髭剃りに便利な拡大鏡が設置されていること、空気中の二倍の酸素が送り込まれているという触れ込みのスチームサンソ室、地下室にもある浴室など他の銭湯では見られない個性的設備だ。
私が一番ここでユニークだと思うのは、男湯だけにある小さな露天風呂の、オーナーの親戚筋の絵心のあるお方が描かれた壁画で、そのあまりの稚拙さに(特に人物が)見るたびに愉快になる。不快にならず愉快になるので寧ろ良い宣伝になる。テルメ龍宮の象徴としてもよいくらいの個性的壁画である。
なお、その壁画の画像は、当サイトのオフログのバックナンバーにある、「大阪下町湯けむり紀行」の中で見ることができます。
これら多々愉快な設備は、オーナー氏の個性とこだわりの賜物、ここは大人が十分に愉しめる浮世風呂である。2人が参考にしています