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随分とユニークな銭湯で、ここには何度もお世話になったが、源泉かけ流し浴槽が新設され、魅力が倍増である。入る前は、源泉かけ流し浴槽ともなれば、小さな浴槽かと想像していたが、予想以上に大きなものであった。
浴室の奥に通路が新設され、そこを通り抜けると露天エリアが現れる。従来から男湯には露天風呂があったのだが、そこは小さな天然温泉浴槽とバスクリン風呂が一つずつあるのみで、新設された露天風呂は比較にならぬほど大きい。
浴槽はL字形で、寝風呂のスペースもある。夜間に利用したため、源泉の色合いはわかりにくかったものの、臭気、味覚はこの銭湯の天然温泉そのものの塩辛く少々金気臭がする類のものである。湯温も43度を示しており、冬場には丁度良い温度、露天にもかかわらず寒い思いはしなくてよい。
加水なし、加温なしの源泉かけ流し方式は素晴らしい。ただ、塩素消毒が施されているのは少々残念。ただし、スーパー銭湯などでよく経験する強烈な塩素臭などの無粋なものではない。
浴槽に注がれる源泉はかなり温度が高いので、直接手に触れない方が無難。塩素消毒された湯であるので、飲用は不可である。
ひとつ残念なのは、地下の浴室入口付近にあった源泉を飲用できる設備がなくなったこと。従って、温泉を飲用することはできない。少々エグ味のあるここの温泉を味わえなくなったのは残念だが、新設された源泉かけ流し浴槽の魅力がそれを補って余りある。
内容充実したこの銭湯に、文句を言うのは気が引けるが、私はどうしても神戸にある温泉銭湯と比較してしまう。神戸では循環湯とかけ流し湯がある場合、後者は塩素が投入されていない純粋のかけ流し湯である。テルメ龍宮でも、源泉温度がかなり高温であるため塩素を投入しなくても十分に清潔なのではなかろうかと思うのだが。
安全性との兼ね合いが、悩ましいところである。1人が参考にしています