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詰めてた仕事も一段落。忘れないうちに、「山陰、美作」に変わり「山陽路」を攻めてみよう(笑)
宮島を眼下にする高台にゆったりと構える石亭。打ち水された石畳をたどって玄関に入れば、木の風合いを大切にしたセンスの良い和空間は風情がある。宿名の通り銘石ずくしの庭園は松やツツジの植え込みに広々とした池。石橋や石灯篭を巧みに配しており芝生などとの調和も映える。
館内にはローソクの灯り、季節の花々など趣を添え風雅に。庭には夕暮れ時よりかがり火が幻想的な雰囲気をかもしだし、何とも雅趣に浸れる素晴らしい演出である。
この庭園を囲むように離れ形式の客室は10室程。通された10畳に副室付きの室内は、上品かつ清楚な造りで軸や屏風など味わい深く風格も漂う。広縁からの眺めも良く、閑静な座敷でゆっくりと寛ぐことができた。
温泉は弱アルカリ単純泉。(わたしゃ分からん、笑)湯は肌触りまろやかでなかなか良い。浴槽は清潔感のある檜の大浴場に露天と一般的な造り。坪庭と自然石を配した露天は、夜などかがり火に照らされて風流。情緒満喫である。
客室で戴く食事も素晴らしい。「海、里、山」の幸を滋味豊かに地の素材を生かした品々が彩りよく盛られて一品ずつ運ばれてくる。旬の素材はもちろんだが、瀬戸内の魚介は実に豊かでありとても美味。質、量、味付けなど申し分なし。「美味を楽しみ地酒の杯を重ねる」といきたいところだが、私はビール党である。「天然の味に優る美味はなし」満足だった。
前回は春、今回2度目の宿泊であったがやはり素晴らしい。宿泊料金は安くない。銭さえだせばそれなりの内容が伴うかというと、そうでもないのが「温泉旅館」である。私的にであるが、この宿は十分に満足感を満たしてくれる。何度でも訪れたいとそう思わせる中国地方屈指の名旅館である。7人が参考にしています