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昨今、「秘湯」とは言いながらその多くは案外車で容易にアクセスできたり、施設もいっぱしのものであったりして、自分の期待心に恥ずかしい思いをすることがよくあります。
思うに、現代版「秘湯」とは、その立地や設備などに定義されるのではなく、いかに俗化されていないか、いかにその温泉がその土地の風土に溶け込み、外来者を受け入れ難い存在感を醸し出しているか、に影響されるのではないでしょうか。そう考えた時、ここ「上ノ国町国民温泉保養センター」は、さして山奥にあるわけではないにもかかわらず、それらの条件を大いに満たしていると思われます。
そしてその温泉そのものも素晴らしく、合計1t/分を超える自噴泉は三つの浴槽を満たし、さらにその成分によって芸術のような析出物を形成しています。驚いたのが打たせ湯の壁に成長した析出物。まるで壁面にびっしりブナシメジが生えたかのような造形は、見る人の目をきっと驚かせます。
秘湯に「秘密にしたい温泉」という定義があるなら、ここはまさにその名に相応しい温泉だと思います。3人が参考にしています