-
私は独自源泉、自家源泉という言葉に弱い。これが大温泉地・草津であれば尚更そそられる。前回草津に行ったとき、立ち寄りを申し入れたが、宿泊客が着き始める時間であったため叶わず、今回は草津で最初に立ち寄った。
感じの良い女将さんにOKをもらい、浴室に向かった。玄関とロビーの間の廊下の下に自家源泉・若の湯の湧出口があるというので見せていただいた。青みを帯びた透明の湯が滾々と湧きあがっている。浴室で使う分以外は放流しているとのことだが、実に勿体ない話だ。
期待を膨らませつつ浴室に向かう。誰もいない。ここは若の湯以外にも白旗の湯が引かれているのだが、その2つを独占できるのだから贅沢この上ない。
脱衣所から3段ほど下りた浴室には大小2つの浴槽。奥の大きい湯舟が薄い青緑の澄んだ若の湯、手前の小さい湯舟に白濁の白旗の湯が注がれている。小さい湯舟には、わずかだが脇から滲みだした湯が混じりこんでいる。
若の湯のは方は源泉が近いので激熱を予想したが、42℃前後のちょうど良い温度。分析書に記載された泉温を見ると50℃となっていたので浴槽までのわずかの距離で巧みに熱交換されているのだろう。白旗のほうも同じような温度で心地よい。
透明な若の湯と白濁の白旗の湯で見た目は大分異なるが、泉源からの距離、外気に触れたかどうかの違いかもしれない。浴感はいずれも草津の酸性の湯の中ではマイルドで滑らかな印象。湯を舐めてみたが、苦味はMgが多い若の湯の方が上かと思ったが逆だった。酸味は白旗の方が強く感じた。ただ、それぞれの源泉の距離は大して離れていないので気のせいかもしれない。
白旗の湯は草津の共同湯の中で最も好きな共同湯だが、いつも混みあっている。その湯と見た目にも美しい若の湯を誰にも邪魔されずに満喫できるのだから800円の入浴料は高くない。4人が参考にしています