-
湯畑近くに建つ木造建築の小規模和風宿である。赤い番傘に緋毛せんの縁台、入母屋の玄関と江戸情緒たっぷりの構えは湯街に調和する。館内も古さは否めないが、和の要素大であり清楚な造りは、気持ちも和み落ち着ける。源泉掛け流しの湯「白旗源泉」を持つ総檜造りの大浴場には、大小2つの浴槽があり、独特の硫黄臭に白濁というより透き通った感じの見た目綺麗な湯色、酸の強い熱めの湯は私の肌には刺激的であった。静寂な中、ほのかに立つ湯煙と薄黄色の湯の花とが、温泉情緒をいっそうかきたててくれる。客室ごとに割り当てられる貸切り風呂は「湯畑源泉」の湯だ。湯色、湯触りなど大浴場とそう変わらない。総檜造りの浴室は、3畳程の広さに幅いっぱいに取った浴槽と大きなガラス張りの造りが見事に一体化し、窓を開ければ半露天風となり小ぶりな庭を眺めながらの入浴は何とも言えない爽快感に浸れた。客室はシンプルな造りの10畳程(眺めはイマイチ)食事は郷土料理(田舎風)であり、味付けや量など悪くはなかった。どちらも可もなく不可もなく、ごく平均的だったかな。宿泊料金は高くついたが、ほぼ満足。私の中で「食より湯」が勝るという温泉宿は非常に珍しいが、宿の湯はもちろん全体の雰囲気も含めての評価である。草津で2度目の宿泊だったが、この湯街は本当に素晴らしいと改めて実感した旅でもあった。(*宿泊した約3年前当時と現在と比べて、宿の内容などほぼ変わってないと思うので書き込み致しました。)
1人が参考にしています