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- 白旗の湯の口コミ 至福の共同湯
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シーズンオフ平日の昼間に草津を訪れたのだが、さすがに草津、人が多い。湯畑周辺は人だかり。草津温泉の施設について、珍しく前知識なく訪問したため、観光協会とおぼしきユニフォームを着た人に草津の立ち寄り湯のお奨めを訪ねてみると、湯畑近隣の「御座之湯」と「大滝之湯」を奨められた。「御座之湯」の目前にこの「白旗之湯」なる共同湯の湯舎が建っており、源泉原理主義者であるわたくしは、迷わず「白旗之湯」を選択した。選択に誤りはなかった。地元にお金を落とさずに申し訳ないが、観光用入浴施設より温泉情緒・泉質ともに優れ、かつ無料の地元の共同湯を選んでしまうのは温泉好事家の性である。
ここは湯畑にすこぶる近いのだが、湯畑源泉ではなく独自の白旗源泉を引く。ゆえに草津では貴重な共同湯である。激熱なのは他の共同湯と同じだが、白濁するのは草津では珍しい。酸性ー含硫黄ーアルミニウムー硫酸性・塩化物温泉の強烈な酸性泉は湧出温53.2度、当然のことながら循環など為されるはずもなく、強烈な酸性泉のため塩素消毒も必要ない。また草津ではタブーの加水も当然ない。そのままの源泉が湯舟に注がれる原始的温泉利用法である。小さな共同湯の魅力はそこにある。
浴舎は木造で魅力ある造作、内部の浴槽も床も壁もすべて木造。男湯・女湯左右対称ではなく、男湯は大小独立した浴槽が離れて設置されている。大き目の浴槽がぬる湯、小さな浴槽は激熱の湯がたたえられる。ぬる湯とは申せ、激熱湯と比較すればぬるいと云えるもので、かなり熱い湯であることに間違いはない。常連とおぼしき老人は、大きな浴槽が44度、小さなものが47度あたりの湯温と申されていた。熱い湯が苦手なわたくしは大きな浴槽の淵に坐り、何度もかけ湯をして身体を湯に慣らしたうえで気合とともに身体を沈めるのがせいぜいであった。硫黄の香りが鼻を衝き、身体が若干ヒリヒリとする。草津の湯は身体に効きやすいので早々と上がった。
男湯の大き目の浴槽の上には高い湯気抜きスペースがあり、窓から陽の光が差し込むのを眺めながら湯に浸かるのが愉しい。共同湯ならではの愉しみだ。情緒満点の浴舎と効能抜群の酸性泉、わたくしには文句のつけようがない。いつも混雑すると云われるこの共同湯だが、わたくしを含めて三人しかいなかったのは勿怪の幸いであった。12人が参考にしています