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昨夜一年ぶりに行ってみたが、夜八時過ぎで悪天であるにもかかわらず、結構な混雑振りであることに驚いた。元々小振りな入浴施設であり、カランの数も少ないので、身体を洗うのに少々待たねばならない状態。交通至便の地ではないが、根強いファンがいるのだろう。
湯量が豊富なため、湯は一切混じりもののない源泉のみ使用との宣伝文句が露天エリアに貼付されているが、若干の塩素消毒はなされている模様。オーバーフローもなく、循環湯であることは確実で、これといった個性のない湯なのだが、ぬる湯の露天風呂で、間近に迫った山裾の木々の眺めと、山の香りを堪能しながらのんびりと過ごせるのが長所だ。大阪府内にこんな深山幽谷の地があったのかとの感慨にひたれる。近場で、温泉浴と森林浴を同時に体験できるのは有難い。芋の子を洗うような都会の混雑したスーパー銭湯では経験できない静寂感を味わうことができる。
この温泉の個性的なところでは、露天エリアに笠が置いてあり、日よけあるいは雨よけに利用することができる。優雅なものだ。また、脱衣場に「天降石ウォーター」と呼ばれるミネラルウォーターの一種が無料で飲用できる装置がある。オーナー愛用の水らしい。脱衣場には櫛が設置され、無料で使用できるのだが、ブラシが必要な人はカウンターで買い求め旨の記載があり、そのブラシが50円で販売されていることには笑えた。太っ腹なのかせこいのか、判断に迷うところである。かつては、ブラシも櫛と一緒に設置されていたが、勝手に持ち帰る不届きな輩が多いのだろう。
更に愉快なのは、この辺鄙な、いや深山幽谷の地の宿の受付が、ドコモショップを兼ねており、カウンターに携帯が数種類並べれれているところ。太子町ではこの温泉施設が人の終結する施設なのだろうか。なんともまあ合理的と申すべきか。
色々観察してみると、ローカルな温泉場も面白いものである。0人が参考にしています