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湯野温泉(周南)に記載する宿がなかったので「山陽路」から九州へ飛ぼう(笑)
ここ指宿。錦江湾を望む少々高台に建つ数奇屋造りの佇まい。美しい瓦屋根の連なりが際立ち、背後に近代和風建築の客室棟である5階建てが控える。
ロビーからは、白砂と緑の枯山水庭が広がり南国の陽光が映えて美しい庭が自慢である。館内は古いモダンと新しい雅びとを兼ね備え、また古美術品なども飾られ、伝統と老舗の風格を漂わせる。
通された客室は10畳程に広縁付き。室内は清楚なしつらえですっきりとした調度品も洗練されたもの。明るい風向が窓いっぱいに広がり、いかにも南国の温泉地らしい。ただ海も望めはしたのだが、眼前に他宿があるため他の客室(低い階)など死角になる場合もあるかも?
温泉は地域特有の食塩泉。泉温の高い湯がそのまま湯舟に注がれる。まあ加水は致し方ないだろう。大理石の豪華な内湯に野趣たっぷりの岩露天へは、庭を望みながら入浴。爽やかな入り心地である。肌触りの良い湯で情緒満喫といった具合であった。他私の嫌いなサウナに訪館時にはなかった足湯と足砂湯も新設されてるらしい。
個室処で戴いた食事は、薩摩独特の味を盛った会席膳。その中で名物の「兵六瓦そば」がある。箸で崩すのが惜しいくらいで大きな瓦の上にそば、薬味を載せたもので目と舌の楽しみは十二分であった。そして新鮮な海の幸。バランス良く美味しく戴けた。
「一期一会、茶の精神」を心得にした心のこもった対応ぶりは素晴らしい。以前の宿泊であったが、「温泉旅館」としての内容の良さなど印象強く残っている。満喫できた南国指宿の良宿である。0人が参考にしています