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出来た当初からの常連である。
この近所にはスーパー銭湯が多く、いつもどこに行こうかと悩んでしまうのだが、一番入浴頻度が高いのがここ。
目当ては源泉掛流しの壷湯とヒノキの湯。
まぁ、お世辞にも湯とはいえない温度ではあるが。
当初、源泉そのままの浴槽は中央の壷湯一つしかなかった。
いくらなんでも源泉のままでは温度が低すぎるので、この壷湯はサンプル程度の意味合いであったと思われる。
ところが、これが大人気で、いつ行っても誰かが入っていて途切れない、常に順番待ち状態であった。
これを受けて、打たせ湯を廃止し、もう一つ大型の壷湯が設置されたのだが、これだけでは焼け石に水、この冷たいほどの源泉を求める入浴客はあとを絶たず、ついにジェットバスも廃止されて、檜の掛流しとなった経緯を知っている。
つまり、この非常識にぬるすぎる源泉浴槽の増殖は客からのニーズを受けたものであるのだが、今やこれがこの温泉の大きな特徴となっている。
実際、サウナ等に入ってこの源泉に浸かると心臓に負担のかからないソフトな水風呂代わりになり、さらに、かなり長時間入っていられる為、精神的にも肉体的にもリラックス、そのまま寝入ってしまう人も居る。
つまり、なんだかんだ言っても大多数の人にはこの源泉の温度は気持ち良いのである。
その証拠に、ここまで増殖した源泉の浴槽、それでも大人気で順番待ちが起こるのだ。
世の中不思議なものである。0人が参考にしています