日本海を一望する露天風呂!硫黄とアブラの香りに包まれて
[新潟県] ゆ処 そば処 磐舟
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
新潟県最北で最東の街・村上市に湧く「瀬波温泉」。
日本海に面した景色の良い温泉地です。ただ、そこは新潟と山形の県境。新潟市街からでも、車で1時間ほどかかり、関東在住の自分からすると、行きたくてもなかなか行けない距離です。
しかし、今回は奇跡的に仕事がらみで初訪問。日帰りでしたが、日本海を一望する露天風呂のある「磐舟」に入湯しました。
県道沿いにある「ゆ処そば処 磐舟」
10数軒の旅館・ホテル等の温泉施設が存在する「瀬波温泉」。日帰りで利用できる旅館・ホテルは数軒ありますが、湯質と眺望で選ぶなら「ゆ処そば処 磐舟」がおすすめです。
ここは、瀬波温泉の老舗旅館「大観荘」の姉妹館。県道沿いに位置し、近づくと「磐舟」の大きな看板があるので、すぐにわかります。外観は、落ち着いた純和風の佇まい。入浴料金は700円です。
敷地内にある「源泉井戸」
敷地内にある「源泉井戸」。駐車場から高台の方へ、歩いて行くことができます。
遠くからでも、ゴーゴーと蒸気の噴出す音が聞こえ、近づくと恐怖を感じる迫力。源泉温度は81.5度と、とても触れられるものではありませんが、立ち込める蒸気に近づくと、窒息するぐらいの濃厚な硫黄とアブラ臭が漂っています。個人的には、結構幸せです。
日本海を一望する露天風呂は夕暮れがおすすめ
源泉井戸を見れば、否が応にもお風呂への期待が高まります。そんな期待と、大浴場へのやたら長い階段で心臓はバクバク。浴室の扉を開けると、ムンムンにこもった硫黄&アブラ臭に、一気にノックアウトです。
大浴場は、男女別にそれぞれ内湯、露天風呂があります。源泉にしっかり向き合える内湯もいいですが、ここの売りは、やはり露天風呂。日本海を一望する絶景です。訪れた日は、お昼過ぎで天気は曇り。どんよりと重たい空は、少し残念でしたが、常連さん曰く、晴れた日の夕暮れ時は最高なんだとか。
泉質は、ナトリウム-塩化物泉。源泉温度は81.5度と超高温のため、加水こそしていますが、湯質にこだわり「かけ流し」での利用が嬉しいところ。湯口からは、しっかり硫黄とアブラ臭、ほのかな臭素臭、潮っぽさを感じ、舐めると程よい塩ダシ味です。ほんのり薄黄緑色に見える無色透明のお湯は、ツルツル感とギシギシ感の個性的な肌触り。しばらく浸かっていると感じる、肌にまとわり付くような感覚は、ちょっと石油みたい? さすが、明治後期に、石油の掘削中に発見されたという、瀬波温泉だけのことはあります。
湯上りは村上名物「塩引鮭」を食す
時間はちょうどお昼ごろ。せっかくなので、鮭の遡上する川のある村上名物の「塩引鮭」を食べに、「磐舟」から車で1分の「岩船港鮮魚センター」へ(「磐舟」もそば処として有名ですが、今回は迷って塩引鮭を選択)。
刺身定食や海鮮丼など、様々な海の幸が揃う中、ほとんどは村上以外から仕入れたもの。その中で「地物」はこの「塩引鮭」ぐらいなんだそうです。ここでも迷いましたが、せっかくなので、ここはやはり地物「塩引鮭定食(1,300円)」をいただきました。
数時間の村上滞在でしたが、「温泉」と「食」をガッツリ堪能。今度はゆっくり宿泊で利用したいと思います。