街の電気屋さんがやってる温泉!お湯は薄にごりのかけ流し!
[福島県] 会津みなみ温泉 里の湯
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
南会津町の山口地区。「会津みなみ温泉 里の湯」は、その中心街を通る国道沿いにあります。ここは、全国的にも大変珍しい、電気屋さんの経営する温泉。知る人ぞ知る、福島の変り種温泉です。
「谷地電気」さんのお店の中
国道401号線沿いに建つ「谷地電気」さん。「里の湯」は、この町の電気屋さんの中にあります。よーく見ると、電気屋さんの入り口の横には、温泉マークの付いた入り口が…こちらが「里の湯」の入り口になります。
今回は、温泉ソムリエ仲間の方に連れて行っていただきました。前回ご紹介した「湯ノ花温泉」からは、30分弱の距離。知らないと、素通り必須のわかりにくい温泉です。
明るくアットホームな脱衣所
館内に入ると、明るくアットホームな雰囲気。一見、友達の家に遊びに来たかのような気分になります。脱衣所も同様にアットホーム。4つの脱衣カゴと、2ボールの洗面台のコンパクトなつくりが、さらにアットホーム感を高めています。
コンクリートうちっぱなしのアーバンな浴室
浴室に入ると雰囲気は一変。コンクリートうちっぱなしの無機質な空間は、アットホームな脱衣所とは別世界です。温泉施設とは思えないオシャレな浴室は、「福島のデザイナーズ温泉」とでも言うべきでしょうか。小さいですが、風呂桶の置いてある石の台もオシャレです。コンパクトなつくりと相まって、今、自分が南会津にいるとは思えない、都会的な雰囲気を味わえます。
薄にごりのお湯は塩ダシ系の味
浴室はL字型になっていて、浴槽は洗い場の奥。4、5人は入れそうな大きさで、薄くにごったお湯が、ザーザーと注がれています。
泉質は、ナトリウム-塩化物泉。湯温23.2度の冷鉱泉のため、加温こそしていますが、嬉しいことにかけ流しでの利用。湯船のフチにこびり付いた、赤茶の析出物も見事です。舐めるとほのかに塩ダシ味のする美味いお湯は、ぬるめの適温に設定され、ゆっくり長湯するのがおすすめです。ちなみに、電気屋さんだけに、源泉の加温は、電気を利用しているとのこと。スベスベ感とキシキシ感の同居する、やさしい肌触りがクセになります。
入浴料は350円。またひとつ、お気に入りの温泉が増えました。