能登版「湯川温泉」!濃厚重厚湯で湯治気分!
[石川県] 龍王閣
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
和歌山県や岩手県など全国各地に点在する「湯川温泉」。どの「湯川温泉」も名湯として名高いですが、石川県・能登半島の「湯川温泉」も、知名度こそ低いですが、強烈な個性のある名湯です。
田園地帯の一軒宿
能登半島の名湯・和倉温泉のある七尾市。「能登版湯川温泉」も同じ七尾市にあります。全国区の和倉温泉の陰に隠れていますが、「お湯」では引けを取りません。
そんな湯川温泉の一軒宿「龍王閣」は、能登半島の山あいの田園地帯の中。風景に溶け込む素朴な佇まいの旅館です。和倉温泉からは、車で30分ほどの距離。「龍王閣」という力強い名前ですが、気さくで人懐っこい、素敵なご夫婦が出迎えてくれます。
海の幸中心の食事
日帰り入浴もやっていますが、せっかくなので宿泊で利用。料金は1泊2食付でひとり9,000円とリーズナブルです。
楽しみにしていた夕食は、海産物中心のメニュー。飾り気のない素朴な見た目ですが、味はホンモノ。美味しすぎて、一口食べては、いちいち箸を置き味わいました。どれも新鮮な石川の海の幸。東京では何倍ものお金を積まないと食べられないぜいたく品です。
コンパクトな浴室
浴室は、館内に入り、客室の並ぶ廊下の突き当たり。男女別内湯のみのコンパクトなつくりです。敷地裏の源泉は、生命力あふれる自噴泉。湧出量は毎分71.2リットルで、浴槽の大きさは、湯量に見合った適正サイズといえます。
泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。湯の花を除去する目的(それでも茶色の湯の花だらけです)で、かけ流しに循環を併用していますが、湯口からは、ほのかに金気とアブラ臭を感じられ、お湯はとても新鮮です。薄く白黄色がかった透明なお湯は、見た目には濃さを感じませんが、成分総計は19.23グラムと濃厚。ツルツル感とギシギシ感を同時に感じる肌触りで、しばらく入ると肌にジリジリしみ入り、数分でどっと疲れる重た~いお湯です。
湯口のライオンもしっかり湯の花コーティング
湯口のライオンさんも、湯の花の影響か、しっかり赤茶にコーティング。これはもう芸術作品です。そして、かけ流しの源泉と思われるライオンのお湯をちょっと飲泉。味は強烈に塩辛く、強烈に苦渋い…美味しくないですが、身体には効きそうでした。湯上り後は。お肌しっとりプルプルというかベタベタ。しばらくすると、猛烈な疲労感に襲われます。しかし、これがこの温泉の効力。夜は超熟睡で、朝起きると一週間寝続けたかのようなスッキリ感で、身体も軽やか。温泉パワーを改めて感じました。
朝食後、そんな温泉体験をご主人に話すと、とても喜んでくれて、チェックアウトぎりぎりまで、温泉談義で盛り上がりました。また、チェックアウトの際に、玄関でご主人と写真撮影タイムがあり、後日自宅に写真が送られてくるという、嬉しいオプション付です。