湯河原の飲泉もできる自家源泉かけ流しの宿!
[神奈川県] 巛ーsenー湯河原(旧 亀屋旅館)
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
こんにちは。都心からも程近い湯河原温泉。いつも混んでいる近隣の熱海や箱根に比べると、静かで落ち着いた印象の温泉地です。休日にふらっと行っても空いているので、ゆっくりできるのが嬉しいところですね。これでお湯も良ければ最高です。ということで、今回は湯河原のお湯自慢の宿「亀屋旅館」をご紹介します。
急坂の途中…
JR湯河原駅から路線バスで走ること約10分…最寄のバス停から、急坂を少し登ったところに「亀屋旅館」はあります。いかにも老舗らしい落ち着いた純和風旅館で、緑に囲まれたその佇まいは、とても趣があります。
レトロな内湯
内湯は男女別で、浴槽はどちらもひとつとシンプルなつくりです。程よい大きさの湯船には、敷地内に湧く新鮮な源泉が、そのままの状態でかけ流されています。そして、細かいタイルのレトロな雰囲気も素敵です。ご主人曰く、男湯のタイルは、大正・昭和期のものを維持しているとのこと。バブルのころに浴室の改装を考えたが、常連客の反対もあり、今もそのまま使用しているそうです。(女湯は残念ながら改装してしまったそうです)
泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性 アルカリ性 高温泉)。無色透明で、硫黄臭や金気臭のような特徴的な香りはありませんが、新鮮な温泉特有の、なんとなく甘い香りにテンションが上がります。入ってみると、キュッキュと肌に吸い付き馴染む感じが心地よく、化粧水に浸かっているような気分でした。源泉温度は、79.5度と超高温ですが、加水はせず、湯口の絞り加減のみで湯温調整。浴槽はぬるめの適温に保たれ、夢心地の湯浴みを堪能できます。
貸切露天風呂
露天風呂は、宿の中庭的なところにあります。空いていれば自由に入れる貸切制で、木々に囲まれたワイルドな雰囲気は、まるで野湯のようです。もちろん、ここも完全かけ流し。夫婦で、カップルで、友人同士で水入らずの極上湯を堪能できます。
良泉の証「飲泉」もできます
内湯の脱衣所には、飲泉用の蛇口があり、ここから飲泉できます。飲んでみると、薄い出汁のような味で、例えるならコントレックスやエビアンといった、硬水のミネラルウォーターのようです。飲泉は良泉の証!自家源泉を2本所有する亀屋旅館だからできる贅沢な一杯でした。また、湯量も豊富なようで、各お部屋のお風呂も源泉を自由に使え、他の旅館にも源泉を配湯しているそうです。帰り際にペットボトル入りの源泉をいただける、嬉しい心づかいもあります。