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投稿日:2018年9月28日
有福温泉の自家源泉かけ流し湯宿 (有福温泉 ありふくよしだや)
きくりんさん [入浴日: 2017年10月16日 / 1泊]
44.0点
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55.0点
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33.0点
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44.0点
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44.0点
なだらかな斜面に雛壇状に宿が立ち並ぶ有福温泉の高台に佇む、江戸時代中期に開業した木造二階建ての自家源泉を持つ湯宿。温泉街の共同駐車場から、細い石段を上がってたどり着きます。平日に、一泊二食付で利用してみました。
この日は、2階の4畳半和室(トイレ共用)に宿泊。窓からは、有福の町並みを見下ろす景色です。浴衣に着替え、早速温泉へ。
2階から階段を下りた先に、大浴場「長寿風呂」があります。女湯「かんのんの湯」から、更に階段を下りた一番下にある男湯「やくしの湯」へ。棚だけの脱衣場には、ドライヤーも完備。浴室に入ると、左側に2人分のシャワー付カランがある洗い場。アメニティは、一般的なものです。
右側に7人サイズのタイル張り石枠内湯があり、無色透明のアルカリ性単純温泉(源泉名: 有福温泉)がサラサラとオーバーフロー。泉温44.8℃を、加水・加温せず源泉かけ流しにしています。熱くなり過ぎないように湯量を絞っているのか、日本温泉協会の温泉利用証の評価も新湯注入率3を除けばオール5の高評価。PH9.1で、肌がスベスベする浴感です。湯口の湯を口に含むと、石膏臭と塩化物臭が混じったような仄かな匂いがして円やかな味。浴槽はこの内湯1つだけですが、良泉を貸切状態で満喫できました。
夕食は部屋で、浜田港で水揚げされた海の幸と島根の山の幸に舌鼓。お品書きはありません。先附にモズク酢・鴨ロース・鰯佃煮、造りは鯛・勘八。もみじおろしとポン酢で頂く、薄造りのバットウ(マトウ鯛)が旨い。高盃のオクラ胡麻和えの後、焼物はニンニク醤油で頂く島根牛の石焼、揚物にカサゴ唐揚と続き、地酒の純米吟醸酒「のど黒」がすすみます。御飯は栗御飯で、お吸物と香の物、デザートにプリンが出て、お腹一杯になりました。
温泉は一晩中入れるので、就寝前と翌朝も入浴。小さな宿なので、時間帯によってはお風呂が混み合うかと心配しましたが、タイミングよく常に貸切状態でした。
朝食も部屋で、鯖の塩焼主菜の和定食を頂きます。茄子と豚肉の煮物も旨い。地元の玉子が出たり、南瓜とナメコの味噌汁も具沢山で満足しました。
昭和の雰囲気が漂う日本旅館に泊まり、浴衣で下駄を鳴らして共用浴場をはしご。地元の山海の幸を味わったら、1日の締め括りは自家源泉かけ流しの湯に心ゆくまで身を任せる。派手さが全く無い静かな有福温泉で、そんな体験が出来る宿かと思います。
主な成分: ナトリウムイオン65.3mg、マグネシウムイオン0.1mg、カルシウムイオン2.7mg、フッ素イオン2.5mg、塩素イオン63.5mg、臭素イオン0.2mg、炭酸水素イオン48.8mg、炭酸イオン18.0mg、硫酸イオン15.5mg、メタケイ酸70.7mg、メタホウ酸0.7mg、成分総計0.29g24人が参考にしています
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