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宮島の紅葉谷原生林に溶け込むように佇む、安政元年(1854年)創業の老舗旅館。文人や歴代の政治家に愛され、皇室御用達の宿でもあります。平日に一泊二食付き、一人泊で利用してみました。宮島口から、フェリーで約10分の船旅。フェリーに乗る前に電話しておいたので、到着口を出た先のロータリーに、マイクロバスが迎えに来てくれています。多くの鹿がいる山道を約5分、趣ある明治25年建築の本館前に到着。この日は、本館から奥に進んだところにある、新館4階の客室に宿泊。10畳広縁付きで、とても快適です。荷ほどきして、早速地下1階の大浴場「月の湯」へ。12人サイズの石造り木枠内湯には、無色透明の単純弱放射能冷鉱泉(源泉名:若宮温泉)が満ちています。このお湯は、明治18年から井戸水として利用されていたのだとか。源泉14.8℃を、41℃位に加温。PH6.0ながら、肌に優しい浴感です。続いて、外の露天風呂へ。6人サイズの石造り浴槽で、湯温は40℃位。目の前は原生林で、小川も流れています。日常を忘れ、のんびりと夕暮れの湯浴みを楽しめました。夕食は、部屋で。お品書き付きで、旬の食材を用いた料理に舌鼓。峰岡とうふ、広島菜めはり寿司、焼き牡蠣も身が大ぶりで旨い。あなご饅頭も、気に入りました。翌朝は男女入れ替わり、男性は大浴場「日の出湯」へ。10人サイズの石造り内湯があり、湯温は42℃位。次に、外の露天風呂へ。5人サイズの木造り浴槽で、湯温は41℃位。こちらでも、そばを流れる小川を眺め、まったりと朝風呂を満喫できました。朝食は、1階の食事処「もみぢ」で。品数多く、玉子焼きや焼き鯖が熱々で旨い。コーヒーの無料券をいただいたので、チェックアウトまで離れの喫茶で本館を眺めながらゆっくり過ごせました。温泉そのものに大きな特徴があるわけではありませんが、特別な時に利用したい宿です。
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