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今から1350年以上前に法道仙人によって発見されたと伝わり、古来より名湯が湧く「福ありの里」から名付けられたと言われる有福温泉。その石段を登った中心地に佇む、明治22年(1889年)に開業した共同浴場。平日の朝、およそ12年ぶりに利用して来ました。
アーチ窓が特徴的であるクラッシックな西洋風建築の建物は、昭和4年(1929年)に建築されたものだとか。入浴料400円は、玄関を入った右側の券売機で。男湯は、レトロな木製の番台の左側です。
100円返却式鍵付ロッカーが並ぶ脱衣場には、ドライヤーも完備。湯気抜きのある高い天井の浴室に入ると、壁側に8人分のカラン(うち3つはシャワー付)がある洗い場。アメニティは、一般的なものです。
中央に8人サイズのタイル張り石枠八角形内湯があり、無色透明のアルカリ性単純温泉(源泉名: 有福温泉)が、源泉かけ流しにされています。泉温は分析書に書かれておらず不明ですが、加水・加温せず41℃位で供給。やや肌がスベスベする浴感です。中心の噴水のような湯口から注がれ、口に含むと芒硝臭がして円やかな味。朝一番で並んでいたら少し早く開けてくれたので、ちょっとの間だけ貸切状態でフレッシュな湯を楽しめました。
湯上りは、趣ある階段を上がって2階の休憩スペースへ。古い写真が飾られたフロアにテーブルやソファが置かれ、ここに居るだけでもまるで時が止まったかのような錯覚に陥りました。
帰りがけに、久しぶりに来たと告げて、受付の女性としばし談笑。「男湯は脱衣場からすぐ浴室なのに、写真で見ると女湯は石段を少し下りたところに浴室がありますね」と話すと、「右側の女湯が高くなっているのは、昔は芸者さん達が入ったりしたので覗き防止のためなの」と教えてくれました。
主な成分: ナトリウムイオン78.2mg、カルシウムイオン3.7mg、フッ化物イオン2.3mg、塩化物イオン66.0mg、臭化物イオン0.2mg、硫酸イオン16.3mg、炭酸水素イオン48.8mg、炭酸イオン18.0mg、メタケイ酸68.0mg、メタホウ酸0.7mg、成分総計0.29g23人が参考にしています