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松虫通りを西に向いて行くと、岸里の交差点を右折、国道26号線を北上すれば間もなく左側に見えてくる。天下茶屋駅からも程近い場所にある。比較的小振りな外観だが、国道沿いなので、見落とすことはなかろうと思う。
暖簾をくぐると、いきなり眼前にラドン発生装置があり、随分近代的であるわいなと感心しながら戸を開けると、昔ながらの番台形式、建物もそれなりに古く、一昔前の体重計や、3分20円の旧式ドライヤーなどが郷愁を誘う。ここは昭和の設備が残されている。ぶら下がり健康器まであるが、これも相当年代物。このような昭和ノスタルジーも悪くない。
脱衣場も浴室も左右ではなく前後に長い造作になっており、奥行きのある造り。浴室を入るや否や、小さな掛け湯用の湯溜めがあり、早速掛け湯をすると何とこれが水、心臓止まりそうになる。しかし隣にあるカランからはちゃんと湯が出るので問題ない。飲水場も設けられ、設備は充実している。
浅深主浴槽、電気風呂、寝風呂及び座り風呂が連なり、後者はジャグジーとジェットで、入浴剤入りである。更に奥へ行くと中二階らしき造りで、小さいながらも露天風呂、ラドン発生の蒸気風呂、乾式サウナ、そして小振りな水風呂がそろい、随分と内容豊富である。蒸気風呂と水風呂の往復などはなかなか快適だ。尤も、この銭湯は一つ一つの浴槽等の設備が小さめで、利用者が多いとやや不便かもしれない。更に、脱衣場には、珍しい人間乾燥機なるものも設置され、ちゃんと作動していた。
西成の庶民的な銭湯の一つ。別段天然温泉で満たされているわけではなく、特筆すべきものでもないけれども、銭湯としては充分及第点をあげられる。ただ、塩素消毒臭が少々きついというのが実感で、どうにかならないものかと思う。0人が参考にしています