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随分と珍しい銭湯が登録されたものだ。私が12月まで当サイトに寄稿していた「大阪下町湯けむり紀行」において少しだけ紹介したため、スタッフが登録してくれたのであろうか。
ここは天然温泉でもなく、通常の銭湯と言いたいところだが、実は通常の銭湯とはすこぶる異なる珍奇な銭湯である。珍奇なと言っても、別段変な泉質の湯で満たされいるとか、そういう類ではなく、ここは男湯専用の銭湯なのである。
以前は女湯もある普通の銭湯だったが、おっさんしか歩いていない土地柄、男湯は超満員の一方、女湯は閑古鳥が鳴く始末、それならええい!と、両者の壁を取り払って、男湯専用の銭湯に造り替えた次第。銭湯は他にも沢山あるのだから、オーナーのこの英断は評価されるべきだ。
入口が二つで、中に入ると男ばかりというのも、妙な感覚だ。脱衣場も浴室もすこぶる横方向に広い。壁が取り払われているのだから当然である。昼間に入浴すると、陽の光で随分と明るい。
向かって左の元男湯エリアの深浅主浴槽は湯が熱め、一方元女湯エリアのそれはぬるめで、好みにあわせて入浴可能、主浴槽も超音波気泡風呂も、電気風呂もそれぞれ二つずつある、当然と言うべきか。
又、愉快なのが、浴室入口付近にある、かかり湯の小さな湯溜めで、元女湯エリアのそれが水風呂になっていて、入浴可能なのである。しかし、かかり湯用の小さな湯溜めであるため、そんな小さな湯溜めに、おっさんが強引に浸かっているを眺めるのも、ここでの愉しみの一つである(どんな愉しみだ)。
いずれにせよ、話の種に一度行ってみることをお勧めする。庶民的な、あまりに庶民的な街の醍醐味も味わえる。また、老婆心ながら、女性は入浴できませんので悪しからず(入浴するはずもないか)。1人が参考にしています