-
湯の丸高原から群馬県側に少し下ったところにあります。かつてはこのあたりに温泉宿がたくさんあったそうですが、大正7年の大火で焼けてしまったそうです。その後、紅葉館だけがこの場所に再建されました。「雪山賛歌」が生まれた宿としても有名です。
紅葉館は、建物、館内の様子、お風呂、どれをとっても秘湯の雰囲気がたっぷりの宿です。玄関を入り、狭い廊下とたどり、階段を少し下りたところに浴室があります。脱衣場、浴室ともにたいへん古いもので、こぎれいではありません。浴室には木造りの小さな湯船がひとつあるだけです。カランもありません。湯船のお湯とは別の源泉が打たせのように竹筒から落とされていて、それがカランとシャワーを兼用しているようで、脇にシャンプーとボディソープが置かれていました。男湯の浴室の壁には不思議な壁画がレリーフで描かれています。この浴室の雰囲気を味わうだけでも訪れる価値はあると思います。
肝心のお湯ですが、やや緑がかった濁りのある湯が、放流式で惜しみなく注がれています。浴槽の木枠には温泉の成分が付着しています。泉質はMg・Na炭酸水素塩温泉で、硫黄のにおいがあり、なめてみると、炭酸の刺激とともに少し金気味を感じました。肌触りはやわらかで、浴後はすべすべした感じが残ります。やや熱めの湯なので、ぬる湯がお好きな方には向かないかもしれません。秘湯の雰囲気を満喫したい人はぜひ訪れてみてください。5人が参考にしています