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随分と高台に位置するかんぽの宿で、観景は抜群、特に今の季節は桜が満開で、本日などやや散り始めの桜吹雪が見頃だった。宿泊施設としては、観景面を考慮すれば良好といえるだろう。ただ、平日というのにカラオケに興じる御仁の歌声など喧しく、洗練された雰囲気を期待してはいけない。あくまでかんぽの宿の普段の利用者は中高年が主体である。高齢者の娯楽施設というのが実態に近い。
かんぽの宿であるから泉質には当初から期待していなかったが、予想通り低レベルである。ナトリウム・カルシウムー塩化物温泉の湯は無個性で、芳香や特別の入浴感などほとんどなし。加温・加水・循環濾過・塩素消毒の四点セットで、脱衣場でその標記を見て萎えてしまう。これではほとんど温泉もどき、湯舟に注入されている湯も循環の湯らしく、天然温泉の有り難味が皆無である。ご丁寧にも、湯舟に浮遊しているのは湯の花ですとの記載があったが、残念ながら湯の花など全然浮遊していなかった。循環濾過してしまった湯に多くを望むのが無駄なこと。
内湯には主浴槽と隣接するバイブラバスのみ。露天エリアにも湯舟がひとつ。規模はかんぽの宿の湯としては平均的。
唯一お勧めは、露天風呂からの眺めで、下方にみかん畑、前方に長閑な田園風景と葛城山系を望むことだでき、これは優れもの、かなり開放感を得ることができる。
レジャーとしての利用ならば不満が出ないだろうが、私としてはこの泉質と温泉利用法では大いに不満というのが本音だ。2人が参考にしています