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温泉として評価する場合、どの系列の極楽湯チェーンも高い評価は与えにくいと思う。大衆を意識し過ぎて、塩素剤投入・循環・加水など、お湯自体を大事にしていない面があると同時に、掘削場所が悪いのか、それほど良い源泉を有していないからである。特に源泉掛け流しマニアは極楽湯には行かない方が賢明。(もっとも、泉質をどうこう言うところではないので、源泉掛け流しにこだわる御仁方が、わざわざ足を運んで湯の質にケチをつけてるのもどうかと思うが。)
しかし、この10年ほどの間に、極楽湯チェーンが果たした役割は大きいと思う。家風呂にはない外湯の楽しさを改めて一般大衆に実感させ、銭湯文化の良い面を再認識させた功績は看過できない。
実際、私も仕事帰りの途中や出張先などで入浴したくなった時に、極楽湯があるおかげでリラックスできた経験が何度となくあるし、友人と遊びの延長で行くのには最適な施設であると思う。極楽湯の関係者の方々には感謝している。
そんな極楽湯のなかでも、ここ吹田店はかなり優れもの。おそらく、設計段階でかなり周到な議論が行われたと思う。その理由は、(1)露天施設の充実度の高さ(他のクチコミ参照)、(2)カラン(洗い場)のレイアウトの工夫(他の客の石鹸のアワや水はねがかかりにくいように考えられている)、(3)浴室入り口の水切りマットの選択(水切り・乾燥がよく、臭いにくい材質のものが使われている)、(4)脱衣場のレイアウトの工夫(前後左右に窮屈な感じを与えないようにしている)、など、他店よりも色々と配慮が行き届いているのがわかる。シャワーの水圧・出水時間もストレスを感じさせないもので、運営側のこだわりがひしひしと伝わる。
午前二時まで営業、最寄駅から5分以内というのも良。情緒や歴史、地域社会との関係という点は別にして、ここより優れた銭湯はなかなか存在しないといっても過言ではなかろう。この施設でも不満を感じるようなら、街の普通の銭湯には行かない方がよろしい。2人が参考にしています