pH10オーバーの丹沢の名湯!貸切風呂が絶品!
[神奈川県] かくれ湯の里 信玄館(しんげんかん)
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
神奈川県山北町、丹沢湖に程近い山あいに湧く中川温泉。400年以上の歴史があり、武田信玄が北条氏康との合戦で負傷した将兵が入浴療養したことから「信玄の隠し湯」とも言われています。至る所に存在する「信玄の隠し湯」。信玄は本当に温泉が好きだったんでしょうね。
その名も「信玄館」
6軒の旅館・温泉施設からなる中川温泉。川沿いの静かな温泉地で、都心から車で90分とアクセスも良好です。
今回お伺いした旅館は「信玄館」。純和風、数寄屋造りの外観が特徴の、中川温泉屈指の人気旅館です。「信玄館」という「信玄の隠し湯」らしいネーミングも素敵です。
開放的な大浴場
信玄館のお風呂は男女別大浴場のほか、男女交代制露天岩風呂、3種類の貸切風呂と、合計5ヶ所にあります。
メインとなる大浴場は、大きな窓と勾配天井の、明るく開放的な内湯と、渓流を見下ろす露天風呂からなります。泉質はアルカリ性単純温泉で、泉温は34.1度。pH10.1、強アルカリ性の「美人の湯」です。大浴場は内湯・露天とも加温循環消毒有りのため、少し塩素臭が気になり、アルカリ性特有のぬるつる感も弱めなのが残念ですが、設備面はとても充実。人気旅館の安定したクオリティを感じます。(日帰り入浴は大浴場のみの利用です)
露天岩風呂
大浴場とは離れた場所にある「露天岩風呂」。渓流のせせらぎを間近に感じる、野趣あふれる雰囲気です。大きな岩風呂は、完全な仕切り等がないため、日ごとの男女交代制。ご存知の方も多いと思いますが、以前は「混浴」だったお風呂です。都心近郊では、大変貴重な「混浴」のあった温泉なんですね。お湯の利用形態は、大浴場同様、加温循環消毒有りとなっています。こちらは日帰りのみ不可。食事付日帰りプランと宿泊者限定で入浴できます。
3種類の絶品貸切風呂
こちらも日帰りのみ不可の貸切風呂。「山色の湯」、「水光の湯」、「丹青の湯」の3種類で、どれも趣きの異なるつくりです。貸切ということで、2、3人入ればいっぱいの大きさですが、景色を眺めながらの湯浴みは、抜群の風情。コンパクトな浴室ならではの、いい感じの「篭り感」もたまりません。そんな雰囲気も素晴らしいですが、湯使いも素晴らしく、他のお風呂とは違い、加温のみのかけ流しで、循環も消毒もなし。ほのかに硫黄の香りを感じ、ツルツルヌルヌルの肌触りもしっかり残る新鮮なお湯です。さすが名門旅館!最高の「隠し湯」を持っています。宿泊者は、空いていればいつでも入れるシステム。完全プライベートな空間で「上質な時間」を体感できます。休日の宿泊料は15,000円から…ここだけでも入る価値有りです。