川沿いのダイナミックな露天風呂!
[静岡県] 野天風呂 山の家
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
こんにちは。伊豆といえば、海沿いの景色を眺めながらの温泉!というのが、パッと思い浮かびますが、山の中にも素敵な温泉が多くあります。今回ご紹介する南伊豆の松崎町にある大沢温泉も、そんな山の中の温泉のひとつ。ここの川沿いの大自然なロケーションは最高です。
良い感じに鄙びた湯治場的雰囲気
大沢温泉は、数軒の旅館と民宿、宿泊施設で構成される小さな温泉地です。南伊豆の山奥。緑の景色に溶け込んだ、静かな場所です。
今回は、大沢温泉でもマニアに絶大な人気を誇る「露天風呂 山の家」に入湯…
川の向こう側にある温泉施設へは、この橋を渡って向かいます。湯治場的雰囲気がプンプンと漂っています。抜群に鄙びた建物も味があります。失礼かも知れませんが、一瞬、廃墟と言われても納得してしまうかもしれません…(フォローしておきますが、僕は廃墟も大好きです!笑)
館内の古びた掲示物
館内は畳の大広間になっていて、田舎のおばあちゃん家へ来たかのような雰囲気です。歴史を感じる建物だけに、掲示物にも歴史を感じます。
写真の掲示物も例外ではありません。大沢炭酸泉…リゥマチス…化粧の湯…厚生省…などなど、文言に趣きがあります。ここや四万温泉・道後温泉が炭酸泉というのはよくわかりませんが、歴史と効能の高さを感じます。
山肌をそのまま活かした露天風呂
ここは施設名にもあるように、内湯はなく露天風呂のみです。岩をくりぬいたような大きな浴槽を、真ん中で区切り、男女別にしています。山に沿って作られているため、急斜面のお山を眺めながら触れながらの湯浴みを楽しめます。山奥の大自然!とても静かで川のせせらぎと風の音しか聞こえない、まさに野趣あふれる露天風呂でした。そのダイナミックさは、野湯レベルです。
お湯も素晴らしい
気になる泉質は、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)。源泉温度は46.7℃、浴槽は適温で入りやすくなっています。無色透明で少しつるつる感のあるやさしい肌触りです。舐めるとしっかり鉱物のような味があり、硬水のミネラルウォーターのような感じです。利用形態は加水・加温・循環の一切ない完全なかけ流し!まさに奇跡的なお湯です。そして特筆すべきは湯量。浴槽下からジャグジーのようにボコボコと噴出しています。そのためお湯は新鮮そのもの。生まれたてほやほやの赤ちゃんのような甘い香りが印象的でした。