熱くない?間欠泉の混浴露天風呂
[山形県] 湯ノ沢間欠泉湯の華 (閉館しました)
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
趣味は食材採取の旅に出ること。それに温泉が付けば完璧。お風呂はちょっと熱めが好きだが、すぐのぼせてしまうタイプ。
間欠泉といえば、地面から水蒸気とともにジョボーとかドバーンと噴出する温泉のことである。当然、その噴き出るお湯の温度はとても高い。
そんなデンジャラスな間欠泉、噴き出るお湯を浴びようものなら、当然全身火傷確実なのだが、山形県にある湯ノ沢間欠泉は、なんと間欠泉なのに混浴露天風呂になっているらしいのだ。
金採掘者が発見した間欠泉の温泉
日本で唯一の入浴できる間欠泉を求めて、カーナビにも表示されないような川沿いの細い山道を、ひたすら車で突き進む。
なんでもこの温泉は、約430年程前に金採掘者が発見したといわれており、知る人ぞ知る野湯として親しまれてきたのだが、平成17年にこの宿ができ、気軽に泊まりで訪れることができるようになったそうだ。
宿の周りには民家の一軒もなく、まさに秘境という言葉がぴったりの立地。この宿がまだなく、野湯しかなかった時代に一度来てみたかった気もする。
まずは茶色いお湯の内湯から
宿のスタッフの方と一緒に男女に別れた温泉へと進むと、まずは茶色いお湯の内湯が現れた。
まさかここからお湯が噴き出すのかと一瞬思ったが、これは普通の温泉のようだ。温度も適温である。どうやらこの先の露天風呂に間欠泉があるらしい。
ちなみに露天風呂は、男風呂、女風呂の両方からつながっている混浴なのだが、私がいった時はたまたま誰も入浴していなかったため、贅沢にも貸切状態となった。混浴露天風呂を一人で貸切というのが、贅沢なのか寂しいだけなのか、微妙なところではあるのだが。
これが間欠泉の温泉だ
内湯を抜けて露天風呂へと進むと、そこには勢いよくお湯の噴き出る間欠泉が…出ていなーい。
露天風呂の中央にそれらしき穴はあるのだが、お湯の出る気配は全くなし。
これでは『間欠泉』だけに取材が『完結せん』ですねと、気持ちドヤ顔でスタッフの方に聞いてみたところ、この間欠泉は人工的なものではなく、あくまで自然の力でお湯が噴き出す天然のものなので、10分から40分くらいの間隔でランダムに噴き出すとのことだった。
間欠泉が噴き出た!
間欠泉が噴き出てくるのをいまかいまかと裸で待っていると、ほどなくして中央の穴からボコボコとお湯が出てきたと思ったら、すぐにジャボジャボと豪快に噴き上げだした。
噴き上がるお湯の高さは2メートルちょっとというところだろうか。これが調子のいいときなら5メートル、ときには10メートルを超える大噴出を見せることもあるとか。
このお湯の噴き出る勢い、こりゃ相当熱いだろうなと思いつつも、恐る恐る手を入れてみる。火傷をしない程度の熱さを想像していたのだが、これが拍子抜けするほどのぬるさだった。それもそのはず、ここの源泉の温度は体温よりも低い35.1度だったのだ。
ぬるさの秘密は、この間欠泉が温泉の熱によって噴き出すのではなく、炭酸ガスの力で噴き出す大変珍しいタイプだからとのこと。
間欠泉のある温泉、これが楽しくない訳がない。上から降り注いでくるお湯を頭から浴びたり、勢いよく噴き出る間欠泉を直接手で触ってみたりと、貸切状態のお風呂で大興奮。
この場所はとても雪深いため、宿の営業が5月上旬から11月上旬まで。ということで、気になった方は、お早めにお出かけください!