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東名高速道路の焼津ICから、車で約20分弱位。藤枝市郊外の志太温泉にひっそりと佇む、明治22年に開業した老舗旅館。犬養毅や後藤新平、若槻礼次郎等の大物政治家や各界の著名人が訪れ、本館や離れの「香梅荘」が平成16年に国の有形文化財に登録されています。日曜日に、一泊二食付で利用してみました。
磨き込まれた板張りの廊下を進むと、つくばいのある小さな石庭。この日は、その先の8畳次の間広縁付「芙蓉の間」に宿泊。池に面して、蛙の鳴き声に心が和みます。早速浴衣に着替え、部屋の斜め前にある浴室「松」へ。男女別ではなく、30分貸切制で使います。棚に籐籠が並ぶ脱衣場には、ドライヤーなし。浴室に入ると、左右に3人分のシャワー付カラン、漆塗りの椅子と桶が置かれた洗い場。アメニティはPOLA製です。窓際に、6人サイズのタイル張り石枠内湯があり、うっすら茶褐色に濁ったナトリウムー塩化物冷鉱泉(源泉名:志太元湯 志太1号)が、サラサラとオーバーフローしています。泉温19.1℃を、熱交換により湯温40℃位に加温。PH7.4ながら、肌がツルツルスベスベする、極上の浴感。加水なし、循環濾過なし、消毒なしです。口に含むと、微かに鉄臭がしてしょっぱい。露天風呂はありませんが、2面の大きな窓から森の緑を眺めつつ、まったりできました。
夕食は、隣の別室で。お品書きと料理の説明はありません。ぬた和えや蛍烏賊、つぶ貝等を盛り込んだ、目にも鮮やかな八寸。お造りは、生鮪や烏賊、ハマチ、サーモン、サヨリで、さすが焼津の近くならでは。煮魚は赤ムツ、筍と新じゃがの煮物、アスパラ豆腐に、地酒「志太泉」がすすみます。牛肉陶板焼や、蟹焼売は熱々で供され、桜海老のかき揚げも揚げたてでサクサク。餡かけ茶碗蒸し、御飯とデザートのマンゴープリンでお腹一杯になりました。
一休みして、就寝前に再度温泉へ。蛙の鳴き声をBGMに、静かに湯浴みを楽しみました。翌朝の朝風呂も貸切でゆっくり浸かれ、浴室は一つなのに湯使いの良さに十分満足。後でHPを見たら、「梅」という浴室がもう一つあったようですが、宿泊者人数の関係からか使用できませんでした。
朝食は、昨晩と同じ別室で。焼き鮭や玉子焼等の定番な和食メニューなのに、しっかり手がかかっています。筍の味噌和え、黒はんぺんが美味しかった。また泊まりたいと思わせる、風雅な建物と良泉、美味しい料理と酒が楽しめる宿でした。
主な成分: ナトリウムイオン4520mg、マグネシウムイオン9.8mg、カルシウムイオン39.5mg、鉄(II)イオン0.4mg、塩素イオン5755mg、臭素イオン3.1mg、ヨウ素イオン6.3mg、硫酸イオン0.2mg、炭酸水素イオン2241mg、メタケイ酸28.0mg、メタホウ酸661.2mg、遊離二酸化炭素77.7mg、成分総計13.39g19人が参考にしています