-
江戸時代の宝永年間(1710-1720年)に旅籠として創業した老舗旅館。大正9年建築の総檜造り4階建ての本館と、平成6年改装の別館常盤苑からなり、本館の看板書は徳富蘇峰筆と多くの文人墨客や政治家に愛された宿でもあります。平日に、一泊二食付で利用して来ました。
伊香保温泉の石段街の中でも最も上方に位置し、木造旅館好きにはたまらない風格ある佇まい。ロビーで椎茸茶を頂いて、チェックインします。板張りの廊下は歩くと軋みますが、所々手が加えられている様子。この日は、本館東棟3階の「若竹」の間に宿泊。8畳和室次の間広縁付でトイレなしですが、欄間や障子の意匠が味わい深く落ち着きます。
早速、西棟2階の大浴場「月光の湯」へ。棚に籐籠が並ぶ脱衣場には、ドライヤーあり。浴室に入ると、左右に8人分のシャワー付カランがある洗い場。アメニティは、ハーブ系と檜系です。中央に、15人サイズの石造り内湯があり、緑褐色に濁ったカルシウム・ナトリウムー硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉(源泉名:総合湯)が、かけ流しにされています。源泉41.6℃を、41℃位で供給。PH6.3で、少しキシむ浴感。加水なしで、常時オーバーフローしています。口に含むと、無味鉄臭。浴槽の縁は、温泉成分で赤茶色に変色。石灯籠と坪庭を眺め、まったりできました。
夕食は部屋で。お品書付の和食膳。蛍烏賊酢味噌和え、筍磯部揚げ、湯葉と山菜田舎和え等、春を感じる前菜。銀光・帆立・刺身蒟蒻のお造り、上州牛味しゃぶに地酒「谷川岳」がすすみます。郷土料理「おっきりこみ」、桜鯛蒸し、春の茶碗蒸しと続き、焼物は銀鰈青朴葉焼が熱々で。筍御飯に、蛤と舞茸の土瓶蒸しでお腹一杯。デザートのミックスベリープリンも美味しかったです。。
就寝前、本館1階の貸切家族風呂「弐番」へ。予約制ですが、無料で入れます。行ってみると、壁に穴を開けたような、何も書かれていない入口。小綺麗な脱衣場で、浴室の洗い場には1人分のシャワー付カラン。アメニティは、檜系です。2人サイズの石造り木枠内湯で、湯温は41℃位。段差があり、半身浴も可。窓の外は石垣で、冷たい外気が心地良かったです。
翌朝、朝食も部屋で。温泉玉子か、玉子焼を選択できます。鯛の湯葉巻等、煮物も温かい。地物の蒟蒻が美味でした。
食後は、午前0時に男女入替になった、別館1階の大浴場「折鶴の湯」へ。棚に籐籠が並ぶ脱衣場には、ドライヤーあり。月光の湯より、こじんまりした浴室。6人分のシャワー付カランが並ぶ洗い場で、アメニティは同じ物。8人サイズの石造り内湯で、湯温は41℃位。時々熱い湯が出るので、常時ではないが加温ありでしょう。日本温泉協会の表示も、加温ありになっていました。
ラウンジではコーヒーのサービスもあって、温泉を満喫し寛げる宿ではないでしょうか。ノスタルジーに浸れる、中高齢のお客さんに好まれそうな佳宿です。
主な成分: ナトリウムイオン115mg、マグネシウムイオン30.8mg、カルシウムイオン138mg、鉄(II)イオン7.34mg、マンガンイオン1.48mg、ストロンチウムイオン0.39mg、フッ素イオン0.1mg、塩素イオン127mg、硫酸イオン313mg、炭酸水素イオン278mg、臭素イオン0.3mg、メタケイ酸181mg、メタホウ酸8.0mg、遊離二酸化炭素174mg、成分総計1.39g12人が参考にしています