フレッシュな自家源泉かけ流し!お湯はゆで玉子風味!
[新潟県] 雲母本館(閉館しました)
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
2軒の共同浴場と、2軒の旅館からなる「雲母温泉」。今回は雲母温泉の旅館「雲母本館」をご紹介します。
場所は、前回ご紹介した「上関共同浴場」と「雲母共同浴場」から歩いて数十秒のところ。玄関手前の排水溝からは湯気が立ち、ほのかに硫黄の香りが立ち込めます。
昭和レトロな外観
「雲母本館」と書いて「きらもとかん」と、難解な読み方の旅館。年季の入った昭和レトロな外観は、時代が止まったかのような、のんびりとした空気が流れています。
館内に入ると誰もおらず、仕方がないので隣の家の庭先にいらっしゃる女性に話しかけると、その方が「雲母本館」の奥様。日帰り入浴を申し出ると、受付に500円置いて、あとはご自由に使ってください、とのお返事。この田舎ならではの「のどか」なやりとりに気分も「ほっこり」。ちょっと素敵な時間でした。
1階は男女別浴室
「雲母本館」には浴室が2ヶ所あり、1階は男女別の内湯、2階には大浴場内湯となっています。
この日は、自分以外誰もいない完全開始きり状態。まずは、1階の男女別の内湯へ入ります。浴槽はひとつで、2人入ればいっぱいのコンパクトな湯船。面と向かってお湯と向き合える環境です。
2階は明るい大浴場
階段を上がると大浴場へ直結。大浴場は1ヶ所のため、男湯、女湯、家族湯とお客さんによって、臨機応変に対応しているそう。この日は贅沢にも独り占めで使用できました。
大浴場は7、8人入れそうな湯船がひとつあり、大きくとられた窓からは、荒川を一望できる開放的なつくりです。
泉質は、ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉。雲母温泉の共同源泉ではなく「雲母本館」の独自源泉だそうです。源泉温度は63.1度ですが、湯船の中央にある四角い湯口塔から少しずつ源泉を注ぎ、浴槽は熱めですが絶妙な適温。硫黄の香り立つフレッシュなかけ流しを実現しています。そんな硫黄の香りに包まれ、贅沢な湯浴みを堪能。ツルスベキシキシの包まれるような浴感に癒されます。
シャワー・カランも源泉使用
名湯らしく、シャワー・カランにも源泉を使用。頭や身体を洗う時にも温泉が使えるのは嬉しいですね。
カランは温泉成分のためか、真っ黒に変色しています。浴槽のお湯に比べ、硫黄の香りも濃厚で、舐めるとゆで玉子のような味。フレッシュな源泉でしか感じられない香りに包まれ、夢心地。幸せな瞬間です。ただ、源泉の栓のみにすると、出るのは60度以上の熱湯。調子に乗るとやけどの恐れもあるので、ご注意下さい。